磯釣りをしているとよく掛かるが、釣り人からは敬遠されがちな魚 「ニザダイ」。
地域によっては サンノジ(三ノ字)・イズスミ・ウソッパチ と呼ばれます。
その名の通り 尾びれ付け根に現れる3つの黒い丸模様 が特徴で、今回の写真はその決定的瞬間を捉えています。
ただ見た目だけでなく、強烈な臭い・驚異的な生命力・色変化・海藻食性 など、非常に興味深い生態を持っています。
ここでは、釣太郎ブログ史上最も詳しく、専門知識と釣り人目線で解説します。
ニザダイの基本情報
・学名:Prionurus scalprum
・英名:Sawtail surgeonfish(ノコギリ尾の外科医魚)
・分類:スズキ目 ニザダイ科
・主な呼称:サンノジ、イズスミ、ウソッパチ、ニザダイ
・生息域:岩礁帯・磯場中心。南紀~九州~伊豆諸島まで幅広い
・平均サイズ:30〜45cm、大型は60cm超えも
・寿命:10年以上
・主食:海藻(特にホンダワラ類)
決定的な特徴①「三ノ字模様」
今回の写真(↓)が示す通り、尾柄部(尾びれの付け根)には 黒い丸模様が3つ縦に並びます。
この模様が
・数字の「三ノ字」に見える
・刀の鍔(つば)のように見える
ため、地方で サンノジ・ツバクロ とも呼ばれます。
特徴② 怒ると真っ黒に変色
・通常時:灰色〜青灰色
・ストレス(釣り上げ・刺激時):全身が黒色化
・食事時(海藻摂取時)は体色が安定し明るくなる
体表にある 色素胞(クロモフォア)で瞬時に変色
擬態や威嚇に活用していると考えられます。
特徴③ とにかく臭い!その原因は?
釣り人に嫌われる最大の理由が 強烈な異臭。
この臭いは主に以下によるもの。
・腸内で海藻を発酵 → ガス(短鎖脂肪酸)発生
・体内の粘液に含まれる揮発性化合物
・ストレス時に粘液多量分泌 → 臭気拡散
👉 特に 胃袋がパンパンの個体ほど臭いが強烈。
特徴④ 驚異的な生命力
・釣り上げ後も長時間生きる
・締めても暴れる
・磯上で叩いても生存例あり
・水槽での飼育例もある(ただし臭気問題)
磯釣り師の間では
「ニザダイは3回死んで4回生き返る魚」
と言われるほど耐久性が高い。
特徴⑤ 意外に美味しい?
・皮下の臭いが強烈だが
・丁寧に下処理すると、身は淡泊で美味
・沖縄では高級魚扱い(刺身・煮付け)
・フランス料理では「風味魚」として注目
👉 ただし「臭いがある個体は調理不可」。
👉 若魚は比較的臭いが少ない。
釣り人向け:どう扱うべきか?
・磯釣りでは外道扱いが多い
・食べる場合は即締め+腸抜き必須
・臭いが強い時はリリース推奨
・ウキ釣りでグレ狙いの外道としてよく掛かる
・集魚剤(米ぬか・パン粉)にも強反応
他魚との見分け方(比較表)
| 項目 | ニザダイ | イスズミ | メジナ(グレ) |
|---|---|---|---|
| 尾部模様 | ●●●(3つ) | なし | なし |
| 臭い | 非常に強い | やや強い | ほぼ無臭 |
| 食性 | 海藻 | 海藻・雑食 | 雑食 |
| 色変化 | 激しい | ほぼ無し | 薄い |
| 食味 | 処理次第 | 不味いと評判 | 非常に良い |
要約
・ニザダイは尾部に3つの黒斑 → サンノジと呼ばれる
・怒ると体全体が黒色に変化
・海藻を食べるため腸内発酵ガスで強烈な臭い
・生命力が非常に強く、磯釣り外道として有名
・処理次第で食用可能だが、臭いによる個体差が大きい
・今回の写真は、その「三ノ字模様」が明瞭に写っており非常に貴重

