なぜグレ釣りは人気なのか

🐟 グレ釣りが人気な理由

① 引きの強さとスリル

グレ(メジナ)は非常に力強い魚です。
特に40cmを超える「口太グレ」や「尾長グレ」は、ヒット直後の突っ込みが凄まじく、磯際に突進して糸を切ることもしばしば。
この「一瞬の攻防」がグレ釣りの最大の魅力です。

「釣った」ではなく「仕留めた」という表現が似合うほど、釣り人の腕が試されます。


② テクニカルな釣りで“駆け引き”が面白い

グレ釣りは「フカセ釣り」が主流です。
潮流の読み・仕掛けの投入角度・コマセとの同調など、緻密な技術が必要です。

海中でグレがどの層を泳いでいるかを想像しながら、「エサを自然に流す」技術が勝敗を分けるため、まさに頭脳戦。
これがハマる人が多い理由です。


③ 釣期が長く、全国どこでも楽しめる

グレは日本全国の磯・防波堤に分布しています。
特に秋から冬にかけて脂がのり、サイズも大型化するため、1年を通して人気があります。

和歌山・高知・長崎などの「磯釣り名所」では、グレが釣りの代名詞と言えるほど。
大会も多く、地域の釣り文化を支えています。


④ 食味の良さ

釣りたてのグレは白身で上品な味わい。
刺身にすると淡白ながら旨味があり、熟成させると脂のコクが出ます。
また塩焼きや煮つけ、味噌汁にも向く万能魚です。

特に「寒グレ(冬グレ)」は、脂がのって最高の食味になります。


🐠 グレ(メジナ)とは?

① 学名・分類

・和名:メジナ(クロメジナ、オナガグレを含む)
・英名:Girella punctata(口太グレ)
・分類:スズキ目メジナ科メジナ属


② 種類

グレと呼ばれる魚には主に3種あります。

名称 特徴 生息傾向
口太グレ(メジナ) 体高があり丸みを帯びる 内湾や堤防、磯に広く分布
尾長グレ(クロメジナ) 尾が長く細身、力強い 外洋性で沖磯や潮通しの良い場所
オキナメジナ(オキナグレ) 体色がやや薄く大型化 南方系で九州南部以南に多い

尾長グレは特に人気で、60cmを超える個体も珍しくありません。


③ 生態と習性

・昼行性で、岩礁帯や海藻の多い場所に群れで生息。
・雑食性で、海藻・付着生物・甲殻類を食べる。
・水温15~22℃を好む。
・冬場は浅場に寄り、産卵前に脂がのる。

また、警戒心が非常に強く、エサや仕掛けの違和感を察知するとすぐに離れるため、釣り人の技術が問われます。


④ 釣り方

・主流は「ウキフカセ釣り」
・エサ:オキアミ(付けエサ・まきエサ両方に使う)
・仕掛け:ウキ下を潮に乗せ、自然に流す
・道糸:1.5~2.5号前後
・ハリス:1.2~2号(尾長狙いは3号以上)

グレの当たりは繊細で、「ウキがスッと沈む瞬間」が最高の見せ場です。


⑤ シーズン

・春:産卵期で浅場に寄る
・夏:小型が多く数釣りシーズン
・秋:中型中心で活性が高い
・冬(12〜2月):大型の寒グレ最盛期

特に「寒グレ」はグレ釣り師の憧れで、南紀・日振島・男女群島などが名ポイントです。


⑥ グレ釣りが上達すると釣り全般がうまくなる理由

グレ釣りは「潮を読む」「仕掛けを流す」「魚の動きを読む」すべての要素が詰まっています。
この経験は、チヌ釣り・青物狙い・アオリイカ釣りなど、あらゆる釣りに応用できるため、“釣りの基本修行”とも言われます。


🪸 まとめ

グレ釣りが人気な理由は、
「力強い引き」「技術の奥深さ」「食味」「全国で楽しめる手軽さ」がそろっているからです。

特に磯釣りの世界では「グレを制する者は釣りを制す」と言われるほど。
その駆け引きの面白さは、一度味わうと病みつきになります。

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