タチウオの身が柔らかく、口の中でほどけるような食感になるのは、
**「筋繊維が非常に細く、水分保持力(保湿性)が高い」**ためです。
詳しく分解すると、次のような理由があります。
🧬【1】筋繊維が細い=繊細で崩れやすい
タチウオの筋肉は、他の白身魚(アジ・カマスなど)に比べて繊維の直径が約30〜40%細いといわれています。
この細さにより、
・加熱しても筋が硬化せず
・舌の上でほぐれるような柔らかさ
が生まれます。
そのため、刺身ではとろけるように、焼き魚ではふわふわの食感になります。
💧【2】水分保持力が高い=しっとり感が残る
タチウオは水分量が**約73〜75%**と非常に多く、
さらに「筋原線維タンパク質(ミオシン・アクチン)」が水分を抱え込む力が強い魚です。
このため、焼いても中まで乾かず、外は香ばしく・中はジューシーな状態を保てます。
干物にしてもパサつきにくく、半日干しでもしっとりと柔らかい仕上がりになるのが特徴です。
🔥【3】熱変性が緩やか
タチウオの筋肉は加熱時に急激に縮みにくい構造です。
これにより、加熱しても硬く締まらず、「ふっくら・やわらか」を維持できます。
焼きすぎてもスジがギュッと固くならないのは、この性質のおかげです。
🧂【4】脂と水分の共存が“とろける口当たり”を生む
タチウオは白身魚でありながら脂質が**約8〜15%**と高く、
この脂が筋肉中の水分と混ざることで、滑らかでジューシーな舌触りを作り出します。
この「脂+水分+繊細な筋構造」の三拍子が、タチウオの柔らかさの秘密です。
🧭まとめ
| 要因 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 筋繊維が細い | 硬化しにくく、ほぐれる食感 | ふんわり柔らかい |
| 水分保持力が高い | 水分を逃さず保つ | しっとりジューシー |
| 熱変性が緩やか | 加熱しても縮みにくい | パサつかない |
| 脂質が多い | 滑らかさと甘味を付与 | とろけるような口当たり |
このように、タチウオの柔らかさは「筋肉の構造」と「脂・水分のバランス」が生み出す、
科学的にも理想的な白身魚の構造といえます。


