魚の世界には、成長や環境の変化に応じて「オスからメス」「メスからオス」へと性別を
変える不思議な種類が数多く存在します。
釣り人に人気のマダイやチヌ、クエ、ガシラ、コロダイなどは性転換するのか?
また、アジやサバ、カマス、タチウオ、サワラなど回遊魚の実態は?
最新の学説と実例をもとに詳しく解説します。
性転換魚の基本
・性転換は「雌性先熟(メス→オス)」「雄性先熟(オス→メス)」の2タイプがある。
・群れの構成や繁殖効率を高めるために進化した仕組みで、特に磯魚やハタ類に多く見られる。
・環境変化や群れの性比が引き金となり、ホルモンバランスが変化して生殖腺が作り替えられる。
各魚種の性転換の有無と特徴
マダイ(真鯛)
・性転換:基本的になし。
・雌雄は成長とともに固定され、生涯を通じて性別は変わらない。
・ただし近縁種のチダイでは雌性先熟の報告がある。
チヌ(黒鯛)
・性転換:なし。
・雄雌は明確に分かれ、生まれた性を維持したまま成熟する。
クエ(九絵/アラ)
・性転換:雌性先熟(メス→オス)。
・小型時はすべてメスとして成熟し、群れにオスがいない場合や大型化するとオス化する。
・体長60cm前後から性転換が始まり、90cm以上の大型はほぼオス。
ガシラ(カサゴ)
・性転換:なし。
・雌雄別々に成熟。
・ただし同じカサゴ科でもキジハタなどハタ類には性転換する種が多い。
コロダイ(青筋石鯛)
・性転換:雌性先熟(メス→オス)。
・若魚はすべてメスで、40cmを超える頃からオスへ転換。
・大型ほど派手な体色(青い顔筋)が現れ、婚姻色として知られる。
アジ(マアジ)
・性転換:なし。
・回遊性が強く、群れ内の性比調整が不要なため固定。
サバ(マサバ・ゴマサバ)
・性転換:なし。
・雄雌が明確に分かれ、産卵場で群れを作りながら繁殖する。
カマス(アカカマス・ヤマトカマス)
・性転換:なし。
・雄雌固定。産卵期にペアリングするが性別は変わらない。
タチウオ
・性転換:なし。
・雌雄が別に成熟。体格差があるが性別固定。
サワラ
・性転換:なし。
・大型回遊魚で雄雌は生涯固定。
性転換のメリット
・ハタ類やコロダイのように群れのリーダーが必要な魚では、オスが不在でも大型メスがオス化することで繁殖が維持される。
・小型時は卵を生産するメスとして数を増やし、大型化してから精子を提供することで群れ全体の繁殖効率を高める進化戦略。
釣り人へのヒント
・クエやコロダイは大型=オスの可能性が高いため、資源保護の観点からリリースも選択肢に。
・大型個体を残すことで群れの性比が保たれ、資源維持につながる。
・一方、マダイやチヌは性転換しないため、サイズ規制や漁獲圧管理が直接的に資源保護に効く。
まとめ
・性転換するのはクエとコロダイが代表的。
・マダイ・チヌ・ガシラ・アジ・サバ・カマス・タチウオ・サワラは基本的に性転換しない。
・群れの生態や資源保護を考えるうえで、性転換の知識は釣り人にとっても重要です。


