はじめに
釣り人の間では「4キロを超えるアオリイカは南方系だ」「アオリイカには赤系と白系がいる」という話をよく耳にします。
しかし、これは単なる俗説なのか。
それとも学術的に証明された事実なのでしょうか。
本記事では、最新の研究や各地の漁業研究機関の報告をもとに、この「巨大アオリイカと系統差」の真相を釣り人目線で解説します。
4キロ超=南方系と言われる理由
・南方海域(沖縄・奄美・小笠原など)では、最大5〜6kg級のアオリイカが記録されています。
・一方、本州で多く見られる「シロイカ型」は3kg程度までが一般的です。
・徳島県の水産研究でも、県内で稀に混じる3.8〜3.9kgの巨大個体は「アカイカ型」と判断され、南方系とされています。
つまり「4kgを超える=南方系の可能性が高い」という傾向は学術的に裏付けられています。
ただし「必ず南方系」と断定できるわけではなく、あくまで確率的にそうなりやすい、というのが正しい理解です。
「赤系/白系」は俗説?それとも実在?
結論から言えば「半分は俗説、半分は学術的事実」です。
俗説の部分
・アオリイカは体色を 数秒で変化 させることができます。
・赤っぽく見えても、数秒後には白っぽく変わることも珍しくありません。
・したがって、釣り場で「赤いから赤系」「白いから白系」と判断するのは誤解につながります。
実在の部分
・日本沿岸のアオリイカは遺伝子や生態の違いから、
シロイカ型・アカイカ型・クワイカ型 の3つの系統に分けられます。
・これはアイソザイムやDNA解析、産卵深度や卵嚢の形態の違いで裏付けられており、学術的に証明済みです。
・成体では「漏斗(ろうと)の色素胞の分布」で見分けられる方法も提案されています。
系統ごとの特徴まとめ
・シロイカ型(白系):本州各地に普通に分布。雄で3kg程度が上限。沿岸浅場に多い。
・アカイカ型(赤系):南方域に多く、大型化しやすい。最大5〜6kg級。沖寄り・深場にも出現。
・クワイカ型:さらに南方寄りに分布。産卵生態がやや異なる。
釣り人への実用的アドバイス
・4kgを超える“レッドモンスター級”を狙うなら、南方海域や黒潮域が有力。
・ただし色だけで判断するのは危険。系統差の裏付けは遺伝学的・形態学的特徴に基づくものです。
・「赤っぽい=赤系」というのは俗説に近いので注意しましょう。
まとめ
・「アオリイカ4キロ超は南方系」は 傾向として正しい。ただし絶対条件ではありません。
・「赤系/白系」という呼び分けは 見た目の色では俗説、系統差としては学術的事実。
・研究の進展により、日本近海のアオリイカは「隠蔽種(種複合体)」として整理されつつあります。


