1. 魚の鮮度は「釣った瞬間から下り坂」
魚は陸に上げた時点から「死後硬直」へ向けた変化が始まります。
筋肉のATP(エネルギー源)が分解されると、やがて身が柔らかくなり、ドリップ(余分な水分)
が出て味が落ちます。
つまり「時間との勝負」。
この劣化をいかに遅らせるかが、美味しい魚を食べる最大のポイントです。
2. 活締めが美味しさを守る理由
活締めとは「魚を素早く締めて動きを止める処理」です。
暴れさせたまま放置すると、筋肉中のATPが急激に消費され、身の弾力や旨味が一気に減少します。
・暴れた魚 → 身がパサつく、臭みが出やすい
・活締めした魚 → 弾力が残り、透明感ある身質に
初心者でもナイフを使えば簡単にできる処理で、美味しさの差は歴然です。
3. 血抜きで臭みを防ぐ
魚の血液は時間が経つと酸化し、鉄っぽい臭みの原因になります。
エラや尾を切って海水に浸ける「血抜き」を行えば、臭みが減り、刺身でもすっきりとした味わいになります。
4. 冷やし方で決まる!海水氷の力
魚の保存には「海水氷」がベスト。
真水の氷では浸透圧の影響で魚の体液が抜け、ドリップが増えて味が落ちます。
一方、海水を凍らせた氷なら浸透圧が魚体に近く、水分を逃がさずに急速冷却できます。
・真水氷 → 身が水っぽくなりやすい
・海水氷 → プリッとした食感を長時間キープ
釣り人の間で海水氷が人気なのは、この科学的な理由によるものです。
5. 野締めは旨味を半分以下にする
「野締め」とは、魚を放置して自然死させること。
釣り初心者に多い方法ですが、これは非常にもったいない処理です。
・ATPが無駄に消費され、身がぐにゃっと柔らかくなる
・血が全身に残り、臭みが増す
・時間が経つほど細胞破壊が進み、旨味成分(イノシン酸)が残らない
実際、同じ魚でも「活締め+海水氷」と「野締め」では、旨味が50%以下まで差が出ることがあります。
6. 市販魚との違いは「時間」と「処理の質」
スーパーや市場に並ぶ魚の多くは「漁獲から数時間〜数日後」に店頭に並びます。
その間に輸送・保管され、氷や冷蔵で管理されますが、どうしても時間劣化は避けられません。
一方、自分で釣った魚は「釣ってすぐに活締め・血抜き・海水氷」。
つまり市販魚よりも「圧倒的に早い処理」と「鮮度の頂点で食べられる」点が大きな違いです。
まとめ
・魚は釣った瞬間から劣化が始まる
・活締め → 暴れによるATP消耗を防ぐ
・血抜き → 臭みの原因を排除する
・海水氷 → プリッとした食感をキープ
・野締め → 旨味を半分以下にしてしまう
だからこそ、自分で釣った魚は美味しいのです。
市販魚との一番の違いは「処理の速さ」と「処理の質」。
釣り人だけが味わえる、最高のご馳走なのです。


