「最新の高価なエギを使っているのに、なぜか自分だけ釣れない…」
「隣でエギングをしている人は、次々とアオリイカを釣り上げているのに、自分の竿には全くあたりがない」
エギングを楽しんでいると、そんな悔しい経験をしたことはありませんか?
エギングは手軽に始められる反面、非常に奥が深く、ちょっとした知識の差が釣果に大きく現れる釣りです。
多くのビギナー、そして中級者までもが「どんなエギを使えばいいのか」
「どんなシャクリ方がいいのか」といった「道具」や「テクニック」にばかり目が行きがちです。
もちろん、それらも重要な要素の一つです。
しかし、断言します。 エギングにおけるアオリイカの釣果、その7割は「タナ」「場所」「潮」
という3つの自然要因を理解しているかどうかで決まります。
アオリイカという生き物が、どこにいて、いつ食事をし、どの深さを泳いでいるのか。
この生態の根幹に関わる3大要素を無視して、釣果を安定させることは不可能です。
この記事では、数々のエギンガーが試行錯誤の末にたどり着いた、
「タナ・場所・潮」を読み解くための具体的な知識とテクニックを、大ボリュームで徹底的に解説します。
- なぜあの場所は釣れるのか?科学的根拠に基づいたポイント選定術
- 「大潮なら釣れる」は本当か?潮汐の真実と、爆釣タイムの見極め方
- 釣れない原因のほとんどはコレ!アオリイカがいる層「タナ」を正確に射抜く方法
この記事を最後まで読めば、あなたは闇雲にエギを投げるだけの「運任せのエギング」から卒業できるでしょう。
そして、アオリイカの居場所を予測し、時合いを読み、あたりを必然に変える「考えるエギング」の面白さに目覚めるはずです。
さあ、あなたのエギング人生を劇的に変える知識の扉を開きましょう。
結論:釣果の7割は「場所」「潮」「タナ」で決まるという真実
本題に入る前に、なぜこれほどまでに「場所」「潮」「タナ」が重要なのかを、アオリイカの生態から理解しておきましょう。
アオリイカは、非常に優れたハンターであると同時に、マグロや青物などの大型魚から身を守らなければならない捕食される側の生き物でもあります。
彼らの行動原理は、大きく分けて「捕食」と「安全確保」の二つに集約されます。
- 場所(ポイント):アオリイカは、餌となるベイト(小魚やエビなど)が豊富で、かつ、敵から身を隠せる障害物(岩礁、藻、堤防の基礎など)がある場所を好みます。 つまり、彼らが「居心地の良いレストラン兼隠れ家」と感じる場所を探し出すことが、エギングの第一歩であり、最も重要な要素なのです。
- 潮(タイミング):潮の動きは、海の生態系全体を活性化させるスイッチです。 潮が動くことでプランクトンが流れ、それを食べるベイトフィッシュが集まり、そのベイトを捕食するアオリイカの活性が上がります。 潮が動く「時合い」と呼ばれるゴールデンタイムを狙うことで、釣果は劇的に向上します。 逆に、潮が動かない時間帯は、どんなに良い場所で投げてもアオリイカの反応は鈍くなります。
- タナ(レンジ):タナとは、アオリイカが泳いでいる水深(層)のことです。 彼らは常に同じ深さにいるわけではありません。 水温、潮の流れ、ベイトの位置、時間帯(日中か夜か)などによって、底近くにいることもあれば、中層、時には水面近くまで浮いてくることもあります。 アオリイカの目の前にエギを通してあげること、つまり「タナを合わせる」ことができなければ、いくらエギを投げても見向きもされないのです。
これら3つの要素は、それぞれが独立しているわけではなく、複雑に絡み合っています。
「良い場所で、潮が効いているタイミングに、アオリイカがいるタナを正確に攻める」。
この方程式を解くことができた者だけが、安定した釣果を手にすることができるのです。
エギのカラーやシャクリ方といった残りの3割は、この土台があって初めて活きてくる応用技術だと考えてください。
それでは、次章からそれぞれの要素を深く、具体的に掘り下げていきましょう。
第1章:【場所】アオリイカのストック量を科学的に見抜くポイント選定術
「どこで投げればいいのか分からない」。
これは初心者が最初にぶつかる最も大きな壁です。
闇雲に竿を出しても、そこにアオリイカがいなければ釣れるはずがありません。
ここでは、アオリイカが集まる一級ポイントの条件と、その見つけ方を徹底解説します。
1-1. アオリイカが好む場所の絶対条件
アオリイカがいる場所には、共通するいくつかの条件があります。 それは以下の3つです。
- ベイトの存在:アオリイカの主食はアジ、イワシ、キビナゴといった小魚や、エビ、カニなどの甲殻類です。 これらのベイトフィッシュが豊富な場所には、当然アオリイカも集まってきます。 漁港内で豆アジが泳いでいるのが見えたり、海面が小魚でざわついていたりする場所は、絶好の狙い目です。
- ストラクチャー(障害物):アオリイカは、敵から身を守り、獲物を待ち伏せするために、岩礁(シモリ)、藻場、堤防の基礎、沈みテトラといった障害物の近くに潜んでいることが非常に多いです。 海底に何もない砂地が延々と続くような場所よりも、地形に変化がある場所を積極的に狙いましょう。
- 潮通しの良さ:新鮮な海水が常に供給され、ベイトが回遊してきやすい「潮通しの良い場所」は、大型のアオリイカが回遊してくる一級ポイントです。 岬の先端や、外海に面した堤防の先端などが代表的です。
これら3つの条件が、複数重なる場所ほど、アオリイカと出会える確率は高くなります。
1-2. 代表的なポイントの種類と攻め方
エギングの主なフィールドとなる「漁港」「地磯」「サーフ」それぞれの特徴と、具体的な狙い目を解説します。
① 漁港・堤防:初心者に最もおすすめなフィールド
- メリット:足場が良く安全、常夜灯があり夜釣りもしやすい、トイレや駐車場が整備されていることが多いなど、手軽に始められるのが最大の魅力です。 港内は波も穏やかで、初心者でも釣りに集中できます。
- デメリット:多くの釣り人が訪れるため、イカがスレている(警戒心が強い)ことが多いです。 特に週末や連休はプレッシャーが高くなります。
- 具体的な狙い目:
- 堤防の先端:最も潮通しが良く、回遊してくる高活性なイкаを狙えます。 常に第一候補となるポイントです。
- 船道(ミオ筋):船が通るために深く掘られた場所です。 周囲より深くなっており、ブレイクライン(水深が急に変わる駆け上がり)が形成されています。 イカが回遊ルートとして使ったり、身を潜めたりする絶好のポイントです。
- 常夜灯周り:夜になると光にプランクトンやベイトが集まり、それを捕食しにアオリイカも寄ってきます。 明暗の境目にエギを通すのがセオリーです。
- 係留されている船の影:船が作り出すシェード(影)は、イカにとって格好の隠れ家です。 船体に直接エギを当てないよう、慎重に際を狙いましょう。
- スロープ周り:スロープの駆け上がりや、その周辺に沈んでいるであろう障害物も狙い目です。
② 地磯:大型狙いのロマンあふれるフィールド
- メリット:漁港に比べてプレッシャーが低く、警戒心の薄い大型のアオリイカが釣れる可能性が高いです。 複雑な地形と豊富なストラクチャーは、イカにとって最高の住処となります。
- デメリット:足場が悪く、滑りやすい場所も多いため、危険が伴います。 スパイクシューズやライフジャケットは必須装備です。 また、ポイントまでのアクセスが大変な場合もあります。
- 具体的な狙い目:
- 沖に突き出た岬の先端:潮通しが抜群で、常にフレッシュなイカが回遊してきます。
- シモリ(沈み根)周り:海中に点在する岩礁は、イカが身を寄せる一級のストラクチャーです。 偏光グラスを使ってシモリの位置を把握し、その周辺をタイトに攻めます。 根掛かりのリスクは高いですが、リターンも大きいです。
- ワンド(入り江):潮が払い出すワンドの入り口や、逆に潮がヨレる奥まった場所はベイトが溜まりやすいです。 特に、ワンド内に藻場があれば春の産卵ポイントにもなります。
- ブレイクライン:ドン深の地形になっている場所の駆け上がりは、イカが餌を待ち伏せする定番のポイントです。
③ サーフ・ゴロタ浜:回遊待ちのランガンスタイル
- メリット:広範囲を歩きながら探るため、高活性なイカの群れに当たると数釣りが楽しめることがあります。 漁港や地磯が混雑している時の選択肢としても有効です。
- デメリット:ポイントが絞りにくく、回遊がなければ全く釣れない「ゼロか百か」の釣りになりがちです。
- 具体的な狙い目:
- 離岸流:岸から沖に向かう強い流れです。 ベイトが流されやすく、地形も変化していることが多いため、絶好のポイントになります。
- 岩礁帯や藻場が点在する場所:ただの砂浜よりも、海底に変化がある場所の方がイカはつきやすいです。 航空写真などで事前にチェックしておきましょう。
- 河口付近:川から栄養分が流れ込むためベイトが集まりやすく、有力なポイントになります。
1-3. シーズン別ポイント選定戦略
アオリイカは季節によって行動パターンが大きく変わります。 それに合わせてポイントを選ぶことが重要です。
- 春(3月~6月):産卵を意識したデカイカ狙い 産卵のために深場から浅場へ接岸してくる大型の親イカがターゲットです。 キーワードは「藻場」と「深場に隣接したシャロー(浅場)」です。 産卵床となるホンダワラなどの海藻が生い茂るエリアや、その周辺にある潮通しの良い岩礁帯がメインポイントになります。 この時期のイカは非常に神経質なので、静かにアプローチすることが求められます。
- 秋(9月~11月):数釣りが楽しめる新子シーズン 春に生まれた新子(コロッケサイズ~トンカツサイズ)が、旺盛な食欲で積極的にエギにアタックしてくる最も釣りやすいシーズンです。 好奇心旺盛で警戒心も薄いため、漁港内や足元の浅場など、比較的簡単なポイントで数釣りが楽しめます。 ベイトを追いかけて広範囲に散らばっているため、ランガン(場所を移動しながら釣る)スタイルが有効です。
1-4. Googleマップを活用した事前調査術
釣りに行く前に、Googleマップの航空写真モードを使ってポイントを調査することは、もはや常識です。
以下の点に注目して、有望なポイントを絞り込みましょう。
- 海の色:黒っぽく見える場所は、岩礁帯や藻場である可能性が高いです。 白っぽく見える砂地との境目は、絶好の狙い目となります。
- 地形:沖に突き出た岬、ワンドの形状、堤防の長さや向きなどを確認し、潮の流れを予測します。
- ストラクチャー:沈みテトラやシモリの位置を、ある程度把握することができます。
現場に着いてからポイントを探すのではなく、事前に複数の候補をリストアップしておくことで、当日の釣りが非常にスムーズになります。
第2章:【潮】爆釣のスイッチを見極める潮汐の読み方
「時合いを制する者はエギングを制す」。
潮の動きは、アオリイカの捕食スイッチを入れる最大の要因です。
潮汐の基本から、釣れるタイミングの見極め方までを徹底的に解説します。
2-1. 「大潮は釣れる」の真実と潮汐の基本
潮の満ち引きは月の引力によって起こります。 その干満差が大きい順に「大潮 → 中潮 → 小潮 → 長潮 → 若潮」と呼ばれます。
- 大潮・中潮:干満差が大きく、潮の流れが速くなります。 潮がよく動くことで海中のプランクトンが活発に動き、それを捕食するベイトが集まり、さらにそのベイトを狙うアオリイカの活性も高まる傾向にあります。 一般的に「釣れる潮回り」と言われるのはこのためです。
- 小潮・長潮:干満差が小さく、潮の動きが緩やかになります。 そのため、魚全体の活性が上がりにくく、一般的には釣果が落ちるとされています。 しかし、潮の流れが速すぎるポイントでは、逆に小潮周りの方が釣りやすくなることもあります。
重要なのは、「大潮だから必ず釣れる」と短絡的に考えるのではなく、「潮が動いているか」を意識することです。
たとえ大潮でも、潮が完全に止まっている時間帯(干潮・満潮の潮止まり)は、アオリイカの口を使わせるのは非常に難しくなります。
2-2. 爆釣タイムは「潮の動き始め」と「潮止まり前後」
一日の中で、最もアオリイカの活性が上がるゴールデンタイム、それが「時合い」です。 時合いは、潮が動き出す瞬間に訪れることがほとんどです。
- 満潮からの下げ始め:満潮で潮位がピークに達し、止まっていた潮が沖に向かって動き出すタイミングです。
- 干潮からの上げ始め:干潮で潮位が最も低くなり、止まっていた潮が岸に向かって動き出すタイミングです。
この「潮が動き出す瞬間」は、海中の状況が大きく変化し、多くの生物の捕食スイッチが入ります。
タイドグラフ(潮汐表)を見て、「満潮時刻の30分前から下げ始めの1時間後まで」といったように、潮止まりを挟んだ前後2時間程度は、絶対に集中力を切らしてはいけません。
この時間に休憩を取ってしまうのは、非常にもったいない行為です。
2-3. 釣果を左右する「潮流」の見つけ方
潮汐(潮の満ち引き)だけでなく、実際に海水が流れる「潮流」を読むことが、中級者へのステップアップには不可欠です。
潮流によって生まれる変化点には、ベイトやアオリイカが集まりやすくなります。
- 潮目:流れの速さが違う潮同士がぶつかり、水面に筋のような模様ができる場所です。 プランクトンやゴミが帯状に溜まるため、それを目印に見つけることができます。 潮目はベイトが集まるため、アオリイカにとっても絶好の餌場となります。 遠投して潮目をダイレクトに狙うか、潮目の脇をトレースするようにエギを流すのが有効です。
- ヨレ:潮が障害物(岬、シモリ、テトラなど)に当たることで、流れが乱れて複雑になっている場所です。 アオリイカは、流れが速い本流を嫌い、ヨレの中に身を潜めて流れてくるベイトを待ち伏せしていることが多いです。 目には見えにくいですが、エギを操作しているラインの動きや、竿先に伝わる抵抗の変化で感じ取ることができます。
- 反転流:本流の流れとは逆に、岸に向かって渦を巻くように発生する流れです。 港の入り口や、岬の先端の付け根などで発生しやすいです。 ベイトが溜まりやすく、アオリイカが居着く一級ポイントになります。
これらの潮流の変化は、目視できる場合もあれば、実際にエギを投げてみて初めてわかる場合もあります。
「なんだかここだけラインが流されるな」「エギの重みをいつもより感じるな」といった些細な変化を感じ取ることが、釣果への近道です。
2-4. 風と潮を味方につける
風はエギングにおいて厄介者とされがちですが、使い方によっては強力な武器になります。
- 風と潮が逆方向:これは最も釣りやすい状況です。 風によってラインが沖側に引っ張られ、エギが手前に来るため、常にラインにテンションが張り、あたりが取りやすくなります。 また、エギを安定してフォールさせやすくなります。
- 風と潮が同方向:これは最も釣りにくい状況です。 ラインがエギを追い越して手前側に流されるため、あたりが非常に取りにくく、エギが不自然な動きになりがちです。 この場合は、重めのエギを使ってしっかりボトムを取るか、あえて風上に向かってキャストし、ラインメンディング(糸ふけの管理)をこまめに行う必要があります。
天気予報で風向きと風速をチェックし、潮の流れる方向と合わせてポイントを選ぶことで、より快適で有利な釣りを展開できます。
第3章:【タナ】釣れない原因の9割!イカのいる層を射抜くレンジ攻略法
どれだけ良い場所で、良いタイミングに釣りをしても、アオリイカのいない水深にエギを投げていては絶対に釣れません。
「タナ(レンジ)」を探る作業こそ、エギングの肝であり、釣果を分ける最も繊細な部分です。
3-1. なぜ「ボトム(底)を取る」ことが基本なのか
エギングの教科書には、必ず「まずはしっかりとボトム(底)を取りましょう」と書かれています。 これには明確な理由があります。
- アオリイカの習性:アオリイカは、日中や活性が低い時間帯、海底のストラクチャーに身を寄せてベイトを待ち伏せしていることが多い生き物です。 つまり、ボトム周辺はアオリイカがいる確率が最も高いタナなのです。
- 基準点を作るため:ボトムを基準とすることで、「今はボトムから2m上を探っている」「次はボトムから5m上を探ってみよう」というように、自分がどの水深を探っているのかを正確に把握することができます。 この基準がなければ、タナを探る釣りは成立しません。
初心者が釣れない最大の原因は、この「ボトム取り」が疎かになっているケースがほとんどです。
エギが着底する前にシャクり始めてしまい、ずっと中層や表層を探っているため、底にいるアオリイカにエギを見せられていないのです。
3-2. 誰でもできる!正確なボトムの取り方「カウントダウン法」
ボトムを取る最も確実で簡単な方法が「カウントダウン法」です。
- エギをキャストし、着水したらすぐにリールのベールを返します。
- 着水と同時に「いーち、にー、さーん…」と心の中で秒数を数え始めます。
- エギが沈んでいくと、ピンと張っていたラインが「フッ」と緩みます。 これが着底の合図です。
- この時までにかかった秒数を覚えておきます。 例えば、20秒で着底したとします。 これが、そのポイントの水深の目安になります。
同じ場所で2回目以降にキャストする際は、18秒や19秒でシャクリ始めるなど、着底寸前を狙うことで根掛かりのリスクを減らすことができます。
また、エギには沈下速度(例:約3.5秒/m)が記載されているので、「20秒かかったから、ここの水深は約5.7mだな」と計算することも可能です。
このカウントダウンを毎回きっちり行う癖をつけることが、上達への第一歩です。
3-3. 釣果を激変させるタナの探り方(3分割法)
ボトムが取れるようになったら、次は意識的にタナを探っていきます。 基本は水深を「ボトム」「中層」「表層」の3つに分けて考えます。
① ボトム(底層)の釣り:基本にして最も重要なタナ
- 釣り方:着底後、ロッドを2~3回シャクり上げ、再び着底するまでカーブフォールさせる、最もオーソドックスな釣り方です。 シャクリの回数や強さを変えることで、エギを跳ね上げる高さを調整し、ボトム周辺をネチネチと探ります。
- 有効な状況:日中、低活性時、春のデカイカ狙いなど、多くの状況で有効です。 まずはこのタナで反応があるかを確認するのがセオリーです。
- コツ:フォール中にラインを張りすぎず、緩めすぎずの状態を保ち、全神経を集中させます。
- アオリイカのあたりの多くは、このフォール中に発生します。
- ラインが不自然に走ったり、止まったり、竿先に「コンッ」という感触が伝わったら、迷わずアワセを入れましょう。
② 中層の釣り:高活性なイカを効率よく探る
- 釣り方:ボトムを取った後、5~6回大きくシャクり、エギを中層まで一気に浮かせます。 そこからフォールさせて、中層付近のやる気のあるイカにアピールします。 着底させずに、ある程度沈んだら再びシャクり始める、という釣り方もあります。
- 有効な状況:秋イカシーズン、朝マズメ・夕マズメ、常夜灯周りなど、イカの活性が高く、浮いている可能性が高い時に有効です。 広範囲のイカにエギの存在を気づかせたい時にも使います。
- コツ:ボトムの釣りと組み合わせ、「最初はボトム、反応がなければ次は中層まで」というように、探る範囲を徐々に広げていくのが効率的です。
③ 表層の釣り:サイトフィッシングと秋イカ攻略
- 釣り方:着水後、カウントをほとんど取らずに、水面直下を軽いトゥイッチ(竿先をチョンチョンと動かすアクション)で誘います。 イカの姿が見えている「サイトフィッシング」では、このタナでの攻防がメインになります。
- 有効な状況:秋の新子シーズンで、イカが水面近くのベイトを追い回している時。 見えイカを狙う時。
- コツ:エギを沈ませすぎないことが重要です。 シャロータイプのエギを使ったり、シャクった後にラインを張ってフォールスピードをコントロールしたりします。
この3つのタナを、状況に応じて、あるいはパイロット的に探っていくことで、その日の「当たりタナ」を見つけ出すことができます。
一度あたりがあったタナは、集中的に攻めるのがセオリーです。
補章:釣果の残り3割を固める「エギ・タックル・技術」
ここまで解説してきた「場所・潮・タナ」という土台の上に、残りの3割の要素を積み重ねる
ことで、あなたの釣果はさらに確実なものになります。
エギの選択(カラー・サイズ・沈下速度)
- サイズ:春のデカイカ狙いは3.5号~4.0号。 秋の新子狙いは2.5号~3.5号を、イカのサイズに合わせて使い分けます。 迷ったら3.5号がオールラウンドに使えます。
- カラー:定番はオレンジ、ピンク、アジ、イワシなどです。 「晴天の日中はナチュラル系」「曇天・マズメ時はピンク・オレンジ」「夜間や濁り潮では夜光(グロー)やケイムラ」といったセオリーはありますが、絶対ではありません。 反応がなければ、こまめにカラーローテーションを行うことが重要です。
- 沈下速度:同じ号数でも「シャロー(S)」「ノーマル(N)」「ディープ(D)」と沈下速度が分かれています。 浅場を攻めるならシャロー、潮が速い場所や深場を攻めるならディープと使い分けることで、より快適なレンジコントロールが可能になります。
シャクリ(ロッドアクション)
基本は、竿を縦方向に跳ね上げる「2段シャクリ」です。
ヒュン、ヒュン!と2回シャクって、ラインのフケを取り、フォール。
この繰り返しです。
重要なのは、シャクった後の「フォールの時間」をしっかり作ること。
イカがエギを抱くのは、ほとんどがこのフォール中です。
シャクリとシャクリの間(ま)を意識するだけで、釣果は大きく変わります。
タックルバランス
感度と操作性に優れた専用タックルを使うことで、水中からの情報をより多く得ることができます。
8フィート(約2.4m)前後のエギングロッド、2500番~3000番のスピニングリール、
PEラインの0.6号~0.8号、リーダーはフロロカーボンの1.75号~2.5号が標準的な組み合わせです。
まとめ:自然を読み解き、アオリイカとの出会いを必然に
- 場所:アオリイカのレストラン兼隠れ家となる、「ベイト」「ストラクチャー」「潮通し」が揃ったポイントを探し出すこと。
- 潮:潮汐を理解し、「潮が動く時合い」に集中して竿を出すこと。 そして、潮目やヨレといった「流れの変化」を見つけ出すこと。
- タナ:基本となる「ボトム」を正確に取り、そこを基準として「ボトム・中層・表層」と、その日の当たりレンジを探っていくこと。
これらの要素は、自然が相手だからこそ、毎回同じパターンが通用するとは限りません。
しかし、この3つの原則を常に頭に入れ、現場の状況を観察し、考え、試行錯誤を繰り返すことで、あなたの経験値は飛躍的に向上します。
そして、「なぜ釣れたのか」「なぜ釣れなかったのか」を自分なりに分析できるようになり、エギングという釣りが何倍も面白くなるはずです。
高価なエギや最新のタックルを揃える前に、まずは潮汐アプリをスマートフォンに入れ、Googleマップで次に行くポイントを眺めてみてください。
そして釣り場では、エギの動きだけでなく、ラインの動き、潮の流れ、風の向き、海底の地形に意識を集中させてみてください。
「運」に頼った釣りから卒業し、自然を読み解き、アオリイカとの出会いを「必然」に変える。 そんな知的なゲームこそが、エギングの最大の魅力なのです。


