1. 「下足(げそ)」とは何か
・下足とは、イカやタコの足部分を指す呼び名です。
・特に飲食業や料理レシピの中でよく使われる言葉で、寿司屋や居酒屋のメニューでは「ゲソ天」「ゲソ焼き」として親しまれています。
もともと「下足」という漢字は、船や馬などの乗り物に乗らず徒歩で移動すること=下足を意味していました。
これが転じて、イカの足部分も「下足」と呼ばれるようになったと言われています。
料理の世界では、胴体部分は「身」、足部分は「下足(ゲソ)」として区別されます。
つまり下足は学術的な用語ではなく、調理や食文化の中で生まれた呼称です。
2. 正式名称は「腕(触腕)と脚」
イカの足は、すべて同じ形に見えても実は構造が違います。
生物学的には以下のように分類されます。
-
触腕(しょくわん/触手とも呼ぶ)
→ 他の足より長く、先端が太くなっており、獲物を捕まえるための吸盤が密集しています。
→ 2本だけ存在し、主にエサを捕獲する役割を持ちます。 -
腕(脚)
→ 残りの8本。短く力強く、捕まえた獲物を押さえたり、移動に使います。
つまり、イカは**「触腕2本+腕8本=計10本」**の構造です。
料理でいう「ゲソ」には、これら全部が含まれます。
3. アオリイカとモンゴウイカの違い
3-1. 見た目の違い
-
アオリイカ
・胴体が楕円形で細長く、全体的に透明感があります。
・体の両側に細長いヒレがついており、全身を囲むように広がります。
・目が非常に大きく、視力は海の生物の中でもトップクラス。 -
モンゴウイカ
・胴体が幅広く、ずんぐりした楕円形。
・背中に「甲」と呼ばれる硬い石灰質の板(カトルボーン)があり、浮力調整に使います。
・模様がはっきりしていて、横縞やマダラ模様が特徴的。
3-2. 生態の違い
-
アオリイカ
・水温の高い沿岸域を好み、春〜秋に接岸。
・寿命は約1年。春に大きく成長した個体は3kgを超えることもあります。
・肉厚で甘みのある身は、刺身や寿司ネタで高級品扱い。 -
モンゴウイカ
・やや深場や砂泥底に生息。
・寿命は約1年ですが、冬でも活動し、底物釣りでよく釣れます。
・身はやや硬めで、火を通しても縮みにくく、天ぷらやフライに向く。
3-3. 釣り方の違い
-
アオリイカ釣り
・エギング(餌木を使ったルアー釣り)が主流。
・活アジを泳がせる「ヤエン釣り」や「ウキ釣り」でも人気。
・見えイカを狙うサイトフィッシングも可能。 -
モンゴウイカ釣り
・エギングでも釣れるが、エサ巻き仕掛けやスッテを使った船釣りが多い。
・底をズル引きする釣法が有効。
・冬でも釣れるため、寒い時期のターゲットとして重宝。
4. まとめ
-
「下足」は学術用語ではなく、料理や食文化で使われる俗称。
-
正式には「触腕(2本)+腕(8本)」の合計10本構造。
-
アオリイカは肉厚で高級、モンゴウイカは旨味が強く調理向き。
-
見た目・生息環境・釣り方・食味、それぞれに明確な違いがある。


