海に生きる魚たちは、私たち釣り人や海産物を食する人にとって、身近な存在です。
しかし、その魚たちの生存率について驚くべき事実をご存じでしょうか?
自然界では、卵から成魚まで成長できるのは、わずか1%未満と言われています。
にもかかわらず、魚の数が大きく減ることなく海にあふれているのはなぜでしょうか?
本記事では、その秘密である「魚の卵の数」と「自然界のバランス」について、釣り人目線を交えて解説します。
魚の生存率はどれくらい低いのか?
自然界では、魚の卵や稚魚の多くが捕食されてしまいます。
外敵からの攻撃、環境変化、病気など、多くのリスクが稚魚たちを待ち構えています。
その結果、生まれた魚のうち成魚になれるのは「1000匹に1匹以下」、つまり0.1%以下とも言われます。
特に以下のような魚種では顕著です。
| 魚種 | 卵の数(1回の産卵あたり) | 生存率の目安 |
|---|---|---|
| マイワシ | 約10万~20万個 | 0.1%未満 |
| アジ | 約5万~10万個 | 0.2%前後 |
| タチウオ | 約10万個 | 0.1%以下 |
| アオリイカ(参考) | 約2万個 | 1%前後 |
それでも魚が絶滅しない理由:驚異的な産卵数
魚たちが絶滅せず、数が維持されている最大の理由。
それは圧倒的な卵の数にあります。
■「量で勝負する」自然の戦略
魚は一度の産卵で何万個、場合によっては数十万個もの卵を産みます。
これは**「個の力より数の力」**という自然界のサバイバル戦略。
外敵に食べられても、環境変化で死んでしまっても、それをカバーするだけの大量生産システムが備わっているのです。
捕食関係と食物連鎖の一環としての“稚魚”
魚の稚魚は、他の魚・鳥・クラゲ・エビ・カニなど、あらゆる生物にとっての重要な栄養源です。
つまり、稚魚は「食物連鎖の基盤」とも言える存在。
そのため、稚魚のほとんどが捕食されるのは自然の摂理であり、
魚の卵や稚魚が他の生物を支えている側面もあるのです。
成魚まで育つ個体の“選別”と“適応力”
多くの卵からごくわずかしか成魚にならないことは、進化のふるいにかけられているとも言えます。
天敵を避ける能力、エサを見つける能力、泳ぐスピード、環境への耐性――
これらを持ち合わせた**“優秀な個体だけが生き残る”**仕組みです。
この選別は結果的に、より強い遺伝子を残すことにつながっているため、種としての生存力は維持されるのです。
漁業・釣り・人間の影響は?
人間が魚を釣ったり漁獲したりすることは、自然の捕食とは異なります。
なぜなら、人間は成魚を選んで獲るため、繁殖のチャンスを奪うからです。
これにより、「卵は大量に産まれるが、産卵親がいなくなる」状況が起こり、個体数減少のリスクが生じます。
そのため、漁業では以下のような対策が取られています。
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最低体長の規制(稚魚は獲らない)
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漁期の制限(産卵期を避ける)
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禁漁区の設置
釣りにおいても、小さい魚はリリースし、資源を守る行動が求められます。
釣り人が知っておくべき“資源維持”の意識
釣りを楽しむ人にとっても、魚の生存率の低さと産卵数のバランスは知っておくべき知識です。
以下のような行動を意識することで、持続的な釣り文化を守ることができます。
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産卵期の魚はできるだけリリース
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成長の遅い魚(石鯛・クエなど)は特に配慮を
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自分が釣った数を記録し、釣果の傾向を把握
まとめ:魚の命は奇跡の連続で成り立っている
魚が成魚になる確率は、たったの0.1%以下。
それでも私たちが毎日魚を食べられ、釣りで楽しめるのは、自然界の巧妙なバランスと魚たちの驚異的な繁殖力があるからです。
「卵の数が多いから絶滅しない」とはいえ、それを守るための配慮も必要不可欠。
未来の海を豊かに保つため、釣り人一人ひとりが知識とマナーを持つことが求められています。


