釣り人にとって「フグ」は悩みの種。
せっかくの仕掛けを食いちぎり、ハリスを切り、餌を瞬時に奪っていく厄介者です。
中でも クサフグ と ショウサイフグ は、釣り場で特によく出会う代表格。
一見よく似ていて見分けがつきにくいこの2種ですが、実は生態や特徴にしっかりとした違いがあります。
今回は、釣り人目線で 「クサフグとショウサイフグの違い」 を徹底的に解説していきます。
【結論】クサフグとショウサイフグは「似て非なるフグ」
まずざっくり整理すると以下の通りです。
| 比較項目 | クサフグ | ショウサイフグ |
|---|---|---|
| 主な生息域 | 沿岸・港内・汽水域 | 沖合・砂泥底 |
| 大きさ | 15~20cm前後 | 25~35cm |
| 見た目 | 体色は緑が強く、斑点が小さい | 背中は茶褐色、斑点が大きく密集 |
| 口の形 | やや丸みが強い | やや尖り気味 |
| 歯の強さ | 比較的弱い | 非常に鋭く強靭 |
| 毒性 | 内臓に毒 | 内臓・皮膚に毒(強め) |
| 釣り被害 | サビキやウキ釣りで餌を盗む | ハリス切断・高価な仕掛けを破壊 |
| 食用 | 基本的に不可(有毒) | 食用可能(免許必須) |
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
クサフグとは?【釣り人泣かせの餌取り名人】
■ クサフグの特徴
・全長:最大20cmほど
・体色:背は黄緑~深緑、腹は白色
・模様:小さな斑点が点在
・口:丸みがあり可愛らしいが鋭い歯を持つ
・毒:内臓に強い毒(テトロドトキシン)を持つ
クサフグは、日本の沿岸部ならどこでも見かける非常にポピュラーなフグです。
港内、堤防周り、汽水域、河口など浅場を好み、サビキ釣り・ウキ釣り・投げ釣りなど様々な釣りで餌を盗んできます。
【被害例】
・アミエビを撒けば一瞬で群がる
・オキアミを瞬殺
・胴突き仕掛けの餌も瞬時に取られる
初心者がアジやサバを狙ってサビキ釣りをしていると、群れで寄ってきてアミエビを平らげてしまうこともしばしば。
まさに釣り人泣かせの餌取り職人です。
【釣り場での見分けポイント】
・小型
・全体的に丸っこい体形
・背中の緑が鮮やか
・水面下に群れで泳ぐことが多い
ショウサイフグとは?【仕掛け破壊のプロフェッショナル】
■ ショウサイフグの特徴
・全長:最大35cm前後(大型個体は40cm超も)
・体色:茶色がかった背中、白い腹
・模様:大きくはっきりした黒斑が背面に多数
・口:尖り気味で非常に鋭い歯
・毒:内臓と皮膚に強い毒(テトロドトキシン)
ショウサイフグは主に沖合やや深場の砂泥底に多く、船釣りのターゲットとしても知られています。
一方、防波堤やサーフからの投げ釣りでも釣れることがあり、こちらでも仕掛け被害が頻発します。
【被害例】
・ハリスを瞬時に切断
・高価な仕掛けが切られる
・活き餌釣りで餌だけ取られる
特に フグカット と呼ばれる仕掛け切断被害の主犯はショウサイフグです。
ヤエン釣りや泳がせ釣りでアオリイカを狙っている最中にも、アジが胴体だけ残されるパターンは多くがこれ。
【釣り場での見分けポイント】
・やや大型でスマート
・茶色っぽい背中
・斑点が大きくはっきり
・仕掛け切断の頻度が高い
【画像で比較】クサフグとショウサイフグの見分け方
クサフグの特徴まとめ
・緑色の背中
・小さな斑点
・丸っこい体形
・港湾や河口周辺に多い
ショウサイフグの特徴まとめ
・茶褐色の背中
・大きく密集した黒斑
・ややスマートな体形
・沖合の砂泥底に多い(ただし沿岸にも)
釣り被害の違い
| 釣り被害 | クサフグ | ショウサイフグ |
|---|---|---|
| サビキ釣り | アミエビ全滅 | ほぼ関与せず |
| 投げ釣り | 餌盗り | 仕掛け切断 |
| ヤエン釣り | 活きアジ弱る | アジ胴体のみ残す |
| フカセ釣り | オキアミ消費 | たまに針ごと切断 |
釣り場や釣り方によって被害パターンが違うのも、この2種の特徴です。
クサフグは**「小物餌取り系」、ショウサイフグは「仕掛け破壊系」**と覚えておくと現場で役立ちます。
実は食用としての価値も違う
実はショウサイフグは、正式な資格を持つプロが処理すれば美味しい食用魚です。
その上品な白身は高級フグ料理店でも扱われるほど。
一方、クサフグは食用に向きません。
一部地方では食べる文化もありますが、素人が手を出すと極めて危険です。
■ ショウサイフグ:調理免許があれば食用可能(刺身・鍋・唐揚げなど)
■ クサフグ:基本的に食用不可(食中毒リスクが高い)
釣り人ができるフグ対策は?
■ 仕掛け切断防止策
・太めのハリスを使う(最低5号以上)
・ワイヤーハリス使用
・短時間勝負で手返し早く
■ 餌取り回避策
・大型餌(オキアミではなくイカ短・サンマ切り身等)
・夜釣りにシフト(クサフグは昼行性が強い)
・潮流のあるポイントを選ぶ
■ 最終手段:フグカット覚悟
特にショウサイフグが湧くと完全防御は困難。
「被害は釣りの一部」と割り切るベテランも多いです。
まとめ
釣り人の天敵とも言えるクサフグとショウサイフグ。
似ているようで、実は生態・被害パターン・食用価値まで大きく違います。
・クサフグは小型の餌取り職人
・ショウサイフグは仕掛け破壊の達人
現場での見分け方を知っておくと、釣りのストレスも少しは軽減できます。
また、ショウサイフグは正しく処理すれば美味しい魚。
フグ調理師の世界では重要な高級食材でもあるのです。
これからの釣行時、ぜひこの知識を活かして「フグとの付き合い方」を少しでも楽にしてみてください!


