結論から言います。「刺身なら捌いて冷凍」一択です
先に答えを言ってしまうと、家庭用冷凍庫で刺身用として保存するなら、内臓を抜いた「上身(うわみ)」の状態が圧倒的に有利です。
理由は単純、「冷凍スピード」と「匂い移り」です。
丸ごとは楽ですが、内臓が断熱材になって凍るのが遅く、その間に細胞が壊れます。
さらに、内臓の生臭さが身に移るリスクがある。
では、具体的にどう変化していくのか、5週間のドキュメントをご覧ください。
【保存版】品質変化比較チャート(家庭用冷凍庫 -18℃想定)
| 経過期間 | ① 丸ごと姿冷凍(内臓あり) | ② 上身にして冷凍(皮・内臓なし) | 判定(刺身) |
| 1週間 |
【良好】 まだ身は綺麗。内臓の匂い移りもほぼ無し。 解凍に時間がかかるのが難点。 |
【極上】 甘み成分が増してねっとり濃厚。 釣りたてより美味いと感じるレベル。 |
上身の勝ち |
| 2週間 |
【注意】 解凍時にドリップと共に、わずかにワタの匂いが。 敏感な人は刺身だと気になるかも。 |
【良好】 水分が抜け始め、少し歯ごたえが変わる。 だが、まだまだ高級刺身として通用する。 |
上身の勝ち |
| 3週間 |
【限界】 内臓周辺の身が白濁し始める。 刺身だと生臭さを感じるため、加熱推奨へ。 |
【変化】 冷凍焼け(乾燥)のリスク発生。 表面が少しパサつくが、内側はまだ刺身可。 |
上身の勝ち |
| 4週間 |
【加熱必須】 完全に内臓の風味が身に回る。 イカ墨が漏れている可能性も大。炒め物へ。 |
【低下】 刺身特有の透明感が消える。 美味しく食べるなら、油を使った料理へ。 |
引き分け (共に加熱) |
| 5週間 |
【食材】 身が少し黄色っぽくなる(黄変)。 濃い味付けの煮付けなどで消費を。 |
【食材】 冷凍庫臭(古い氷の匂い)がつく。 フライや天ぷらなら問題なし。 |
引き分け |
解説:なぜここまで差が出るのか?
1. 「丸ごと冷凍」の落とし穴
イカの胴体の中には、海水を含んだ胃袋や肝が入っています。
これらが完全に凍るまでには、家庭用冷凍庫だとかなり時間がかかります。
水は「凍る瞬間」に一番体積が増え、細胞を破壊します。
ゆっくり凍るということは、それだけ長い時間、細胞をいじめ続けているということ。
だから、解凍した時にドリップ(旨味汁)がドバドバ出て、身がスポンジ状になりやすいのです。
また、解凍時にも内臓が溶け出すのが遅いため、身の鮮度劣化を早めてしまいます。
2. 「上身冷凍」が強い理由
開いて内臓を取り除き、ペーパーで水気を拭いた身は、薄いですよね。
これを金属トレーに乗せれば、あっという間に凍ります。
「急速冷凍」に近い状態を人工的に作れるため、細胞が壊れにくい。
だから解凍してもプリプリ感が残り、甘みもしっかり感じられるのです。
ただし、空気に触れる面積が増えるので、ラップ+密閉袋での「空気遮断」は命がけでやってください。
それでも「丸ごと」が輝く瞬間
ここまで「上身」推しできましたが、丸ごと冷凍にもメリットはあります。
それは「イカ墨パスタ」や「塩辛(加熱用)」を作りたい時です。
墨袋や肝をそのまま使えるのは、姿冷凍ならでは。
ただし、それはあくまで「加熱調理」が前提の話。
こと「刺身」に関しては、釣って帰ってどんなに眠くても、内臓だけは抜いてから寝てください。
その10分の努力が、後日の食卓を料亭に変えます。
まとめ
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刺身で食べるなら: 迷わず「上身(皮を剥いて柵の状態)」にして冷凍。期限は2週間。
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加熱して食べるなら: 「丸ごと冷凍」でもOK。期限は4週間まで。
最高の状態で釣ったアオリイカ。
保存方法ひとつで、ゴミにするか、ご馳走にするかが決まります。
釣太郎では、持ち帰り用の極厚ビニール袋や、鮮度保持のための「海水氷」も完備しています。
家に帰るまでが釣り、そして食べるまでが釣り。
最後まで美味しくいただきましょう。

