潮見表を見て「おっ、今週末は大潮だ」と喜ぶ。
釣り人なら当たり前の光景だ。 だが、そこで思考停止してはいないだろうか。
はっきり言おう。
「春の大潮」と「冬の大潮」は、全く性質が異なる別物だ。
これを知らずに磯に立つと、期待外れの結果に終わるどころか、思わぬ事故に繋がることさえある。
今回は、潮見表の数字だけでは読み取れない、季節による潮のクセについて話そう。
昼に引く春、夜に引く冬
結論から言おう。
春から夏にかけての大潮は、「昼間」に大きく潮が引く。
逆に、秋から冬にかけての大潮は、「夜」に大きく潮が引く。
これが日本の海の大きな特徴だ。
ゴールデンウィークあたりに潮干狩りが盛んなのは、昼間にドカンと潮が引いて、普段は海の底にある砂浜が顔を出すからだ。
しかし、今の時期のような冬は違う。
昼間の大潮でも、意外と潮位は下がらない。
「大潮の干潮だから、あの離れ磯まで歩いて渡れるはずだ」と思って行ってみたら、水没していて渡れなかった。
そんな経験はないだろうか。
それは計算ミスではない。
冬の昼間は、そこまで引かないのが「普通」なのだ。
冬の釣りは「高めの水位」を計算に入れろ
では、この知識をどう釣果に結びつけるか。
冬の釣り、特に日中のグレ釣りなどでは、大潮の干潮時でも水位がそこそこ高い状態が続く。
つまり、浅すぎて普段は釣りにならないようなゴロタ場や、浅場のシモリ周りが、
冬の日中なら狙い目になるということだ。
逆に言えば、春なら干上がってしまうようなポイントが、冬なら魚の通り道として機能し続ける。
「干潮だから釣れない」と諦めていた浅場こそ、冬の大潮ではチャンスが残っている可能性がある。
固定観念を捨てて、冬ならではのポイント選定をしてほしい。
春は「答え合わせ」の季節
そして、これから来る春の大潮。
昼間に大きく潮が引くこの時期は、釣りそのものよりも「海底調査」に最適だ。
普段釣っているポイントが、干潮時にどうなっているのか。
シモリの形、溝の向き、根の荒さ。
水が無い状態で見る景色は、何よりも正確な情報になる。
「ああ、ここに根があるから、あそこでいつも切られるのか」。
そんな答え合わせができるのは、昼間に大きく引く春から夏の特権だ。
スマホで写真を撮っておけば、それは一生モノの財産になる。
潮のリズムを味方につけろ
同じ「大潮」という言葉に騙されてはいけない。
季節によって、太陽と月の引力が海に及ぼす影響は刻一刻と変わる。
潮見表の「大潮」という文字だけでなく、その横にある「潮位」の数字、そして時間をしっかりと見てほしい。
海のリズムを知ることは、魚との距離を縮める最短ルートだ。
自然のサイクルを理解した釣り師だけが、辿り着ける領域がある。

