🧊潮氷とは?
潮氷(しおごおり)とは、氷に海水を混ぜて作る“海水シャーベット状の冷却水”のこと。 釣り人の間では昔から使われてきたが、近年は科学的にもその有効性が再評価されている。
🧪潮氷が魚の冷却に有効な3つの科学的理由
① 海水は真水より低い温度で凍る(凝固点降下)
海水は塩分を含むため、 凍る温度が約−2℃前後まで下がる。 そのため、潮氷は「0℃より低い温度帯」を安定して作れる。
👉 魚の身質を劣化させる酵素反応・細菌増殖を一気に抑制できる。
② 魚体を均一に冷やせる(熱伝導率が高い)
氷だけだと魚の接触面しか冷えないが、 潮氷はシャーベット状なので魚全体を包み込む。
- 冷却ムラがない
- 内臓まで素早く冷える
- 死後硬直の進行が安定する
👉 結果として、身が締まり、旨味成分(ATP分解物)が最適に残る。
③ 魚体を傷つけない(物理的ダメージが少ない)
氷の角が魚に当たると、 ウロコ剥がれ・身割れ・血合いの変色が起きる。
潮氷は柔らかいので、 高級魚でも表面を傷つけずに冷却できる。
🐟潮氷が特に向いている魚種
潮氷は万能に見えるが、実は向き・不向きがある。
◎ 潮氷が最も効果を発揮する魚
| 魚種 | 理由 |
|---|---|
| アジ・サバなど青物 | 体温が高く、劣化が早いので急冷が必須 |
| イサキ・タイ | 皮が薄く、氷で傷つきやすい |
| イカ類(アオリイカなど) | 直冷却で透明感が長持ち |
| 根魚(ガシラ・キジハタ) | 身質が安定しやすい |
👉 青物・イカは潮氷が最適解。ただし密閉する。
△ 潮氷がやや不向きな魚
| 魚種 | 理由 |
|---|---|
| ヒラメ・カレイ | 体表がデリケートで浸水しやすい |
| ウナギ・アナゴ | ぬめりが強く、潮氷で逆に扱いにくい |
※不向きとはいえ、短時間の急冷には使える。
⏳潮氷に「長時間つけっぱなし」はNG?
結論: 長時間(数時間以上)の浸けっぱなしは避けた方が良い。
理由①:浸透圧で身が水っぽくなる
海水とはいえ、長時間浸けると 魚の細胞内外の浸透圧が変化し、ドリップが出やすくなる。
理由②:旨味成分が流出する
ATP分解物(イノシン酸など)が水に溶け出し、 旨味が薄くなる。
理由③:皮がふやける
特にアジ・イサキ・タイは皮が弱く、 長時間の潮氷で「ふやけ」「剥がれ」が起きる。
⏰潮氷の“正しい使い方”はこれ
① 血抜き後、潮氷で“急冷”する(15〜30分)
死後硬直前に一気に温度を落とすのが最重要。
② その後は“氷締め”に切り替える
- ビニール袋に入れて海水を遮断
- 氷の上に置く
- クーラー内の温度を0〜2℃に維持
👉 急冷は潮氷、保存は氷締め。これが最強の組み合わせ。
✍️まとめ:潮氷は「急冷の王様」。ただし使い方が命
潮氷は、 “魚を最速で冷やし、傷つけず、鮮度を最大化する” という点で最強の冷却方法。
ただし、 長時間の浸けっぱなしは逆効果。
- 急冷 → 潮氷
- 保存 → 氷締め
この流れを守るだけで、 釣った魚の味はワンランク上がる。

