「アオリイカは秋と春の釣り物」そう思っている人は今でも多いです。
しかし南紀では、師走でも普通にアオリイカが釣れます。
実際、12月に2キロクラス。年によっては3キロ超え。
なぜ南紀だけ、真冬直前でもアオリイカが成立するのか。
今回は気象・海流・地形・生態この4点から理由を掘り下げます。
南紀は「黒潮の影響」を直接受ける地域
最大の理由は、
黒潮の存在です。
南紀沖は日本近海でも珍しく、
黒潮が非常に近い位置を流れます。
その結果、
冬でも海水温が下がりきりません。
目安としては
・12月でも水温16〜18℃
・場所によっては20℃近い日もある
アオリイカは
水温15℃を下回ると活性が一気に落ちる
と言われています。
南紀では
この「限界水温」を下回りにくい。
これが
師走アオリイカ成立の大前提です。
南紀の海は「急深」で冷えにくい
南紀の海岸線は、
一言で言うと
急に深くなる地形です。
遠浅の砂浜が少なく、
堤防や磯から
すぐに水深10m、20mに落ちます。
この地形のメリットは
・水温変化が緩やか
・冷たい表層水の影響を受けにくい
冬型の気圧配置で
気温が下がっても、
海の中は意外と安定しています。
アオリイカは
この安定した深場に残ります。
冬の南紀は「捕食効率が上がる」
師走の南紀は
水温低下により
小魚の動きが鈍くなります。
これはアオリイカにとって
非常に有利な状況です。
・アジが弱りやすい
・逃げるスピードが落ちる
・個体数が減り競争が少ない
結果として
「少ないチャンスで確実に捕る」
冬型の捕食行動になります。
そのため
活性は低く見えても
一度スイッチが入ると一気に抱く
冬イカ特有の
重く静かなアタリが出やすくなります。
南紀のアオリイカは「回遊+居残り型」
南紀のアオリイカは
単純な回遊魚ではありません。
・沖から入ってくる回遊個体
・そのまま越冬する居残り個体
この両方が存在します。
特に
・深場に隣接した漁港
・潮通しの良い磯
・常夜灯が効くエリア
こうした場所では
師走でも個体が抜けきらない
「もうイカはいないだろう」
と思われがちな時期に、
実は足元に残っています。
冬は「大型化」しやすい
師走に釣れるアオリイカは
数は少ないですが、
サイズが出やすい
理由は明確で
・成長期間が長い
・小型個体が先に抜ける
・生き残った強い個体だけが残る
結果として
・2キロ前後が標準
・抱きが深くバラしにくい
南紀の冬イカは
「数釣り」ではなく
一杯の価値が非常に高い釣りになります。
師走アオリイカが成立する条件まとめ
南紀で12月にアオリイカが釣れる理由は偶然ではありません。
条件がすべて揃っています。
・黒潮で水温が下がりにくい
・急深地形で海が冷えにくい
・冬でも捕食対象が残る
・回遊と居残り個体が混在
・大型化した個体が残る
これらが重なり、師走でも成立する地域それが南紀です。
まとめ
「もう冬だからイカはいない」それは全国共通の話ではありません。
南紀では師走もアオリイカの射程圏内です。
むしろ
・数は少ない
・サイズは大きい
・価値は高い
知っている人だけが楽しめる大人のアオリイカシーズン
それが南紀の冬アオリイカです。

