ネンブツダイは口の中で仔魚を育てる魚なのか。
クロホシイシモチやスジイシモチとの違いは。
テンジクダイ科に共通する口内保育の仕組みを、卵保育と仔魚保育の違いから分かりやすく解説します。
最初に
釣りをしていると
よく釣れる小魚。
ネンブツダイ。
クロホシイシモチ。
スジイシモチ。
この魚たちについて
よく聞く話があります。
「口の中で子供を育てる魚」
これは
半分正解で
半分は誤解です。
実は
育てているのは卵までなのか。
それとも仔魚までなのか。
ここに
はっきりとした違いがあります。
ネンブツダイは口の中で仔魚を育てるのか
結論から言います。
ネンブツダイは
口の中で仔魚は育てません。
ネンブツダイは
卵口内保育魚です。
繁殖期になると
オスが
メスの産んだ卵塊を
口の中にくわえます。
そのまま
孵化直前まで
口の中で守ります。
しかし
孵化すると
仔魚はすぐに放出されます。
つまり
・卵は守る
・仔魚は育てない
これが
ネンブツダイの繁殖様式です。
クロホシイシモチはどうなのか
クロホシイシモチも
ネンブツダイと同じです。
こちらも
卵口内保育魚です。
オスが
非常に大きな卵を
口いっぱいにくわえます。
見た目でも
口が膨らんでいるのが
はっきり分かります。
孵化直前まで
口内で保護しますが
孵化後は
すぐに仔魚を放出します。
仔魚を
口に戻したり
育て続けることはありません。
スジイシモチも同じ繁殖方法
スジイシモチも
クロホシイシモチ
ネンブツダイと同様です。
この3種は
すべて
テンジクダイ科です。
テンジクダイ科の多くは
共通して
・オスが卵を口内保育
・孵化直前まで保護
・孵化後は放流
という繁殖戦略を取ります。
卵口内保育と仔魚口内保育は別物
ここが
最も重要なポイントです。
「口内保育」と言っても
実は
2種類あります。
卵口内保育。
仔魚口内保育。
ネンブツダイ類は
卵口内保育です。
一方で
仔魚まで育てる魚も
別に存在します。
仔魚まで口で育てる魚の例
代表的なのは
・アロワナ
・ティラピア
・アフリカンシクリッド
これらの魚は
仔魚が危険を感じると
再び口の中に戻ります。
本当の意味で
「子育て」をしている魚です。
ネンブツダイ類は
そこまでの保育は行いません。
なぜネンブツダイ類は卵までなのか
理由は
海という環境です。
孵化した仔魚は
浮遊生活に入ります。
潮に乗って
広く分散することで
生き残りを図ります。
親が連れて歩くより
拡散した方が
生存戦略として有利なのです。
釣り人が知っておくと納得できる話
口に卵を含んだ
ネンブツダイやイシモチは
・口を使った捕食ができない
・エサを追わない
・非常に釣れにくい
これらは
すべて
繁殖中のオスだからです。
夜釣りで
釣れにくい個体がいる理由も
ここにあります。
要約
ネンブツダイ。
クロホシイシモチ。
スジイシモチ。
この3種は
・オスが口の中で卵を保育
・孵化直前まで守る
・仔魚はすぐに放出
という
卵口内保育魚です。
仔魚まで育てる魚とは
繁殖戦略が異なります。
生態を知ると
釣りの見え方も
魚の見え方も
確実に変わります。

