秋から冬にかけて、ショアジギングやカゴ釣りで回遊してくる「ソウダガツオ」。
強い引きで釣り人を楽しませてくれますが、実はこの魚、「ヒラソウダ」と「マルソウダ」の2種類がいることをご存知でしょうか。
見た目はそっくりですが、味と**「生食できるかどうか」**には天と地ほどの差があります。
今回は、釣り場で瞬時に見分けるための決定的なポイントと、それぞれの特徴、注意すべき食中毒について徹底解説します。
. ヒラソウダとマルソウダの決定的な違い(比較表)
まずは2種類の特徴をざっくりと比較してみましょう。
釣り人にとって最も重要なのは「刺身で食べられるか」という点です。
| 特徴 | ヒラソウダ | マルソウダ |
| 体型 | 平たい(体高がある) | 丸い(筒状に近い) |
| ウロコ | 第2背ビレとかぶらない | 第2背ビレまで伸びる |
| 血合い | 少ない | 非常に多い |
| 食味 | 絶品(本ガツオ並み) | 血生臭いことが多い |
| 刺身 | 〇(非常に美味) | ×(中毒リスク高) |
2. 【画像なしでも分かる】見分け方のコツは「背中のウロコ」
パッと見ただけでは区別がつきにくい両者ですが、背中の**「ウロコ(甲羅)」の模様**を見れば一発で見分けられます。
釣り上げた直後、以下のポイントを確認してください。
① ヒラソウダの場合
背中の硬いウロコの部分が、後方へ行くにつれて細くなり、第2背ビレ(後ろ側の背ビレ)に届かず、離れています。
ウロコ部分と第2背ビレの間には、つるつるした肌の隙間があります。
② マルソウダの場合
背中の硬いウロコの部分が、第2背ビレのあたりまで長く伸びて、繋がっています(または限りなく接近しています)。
ウロコの帯が後ろまで続いているのが特徴です。
釣り人へのアドバイス:
体型(平たいか丸いか)で見分けるのは、個体差があるため初心者には難しい場合があります。
**「ウロコが第2背ビレまで届いているか」**を確認するのが最も確実です。
3. なぜ「マルソウダ」の刺身は危険なのか?
釣り人の間で「マルはあたる(食中毒になる)」と言われるのには明確な理由があります。
- ヒスタミン中毒のリスク
マルソウダは、体内に「ヒスチジン」というアミノ酸を大量に含んでいます。
死後、保存状態が悪いとヒスチジンがヒスタミンという物質に変化し、アレルギーのような中毒症状(蕁麻疹、頭痛、嘔吐など)を引き起こします。
特にマルソウダはこの変化が非常に早いです。
- 血合いの多さ
マルソウダは身の大部分が血合いで占められており、鮮度が落ちるとすぐに生臭くなります。
※注意:
ヒラソウダであっても、サバ科の魚なのでヒスタミン中毒のリスクはゼロではありません。
釣れたらすぐに**「血抜き」と「内臓処理」**を行い、キンキンに冷やした海水氷で持ち帰ることが鉄則です。
4. 生態と釣り方の特徴
生態の違い
- ヒラソウダ
比較的沖合を好みますが、ベイトを追って接岸します。
水温が下がり始める秋から冬にかけて脂が乗り、「トロガツオ」と呼ばれるほど美味になります。
- マルソウダ
沿岸性が強く、堤防や磯のすぐ近くまで群れで入ってきます。
ナブラが湧いている時は、マルソウダの群れである確率が高いです。
釣り方
どちらも以下の方法で狙えます。
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ショアジギング: 30g〜40gのメタルジグを早巻き。
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カゴ釣り・遠投サビキ: オキアミを餌に、表層〜中層を狙う。
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弓角(サーフトローリング): 表層を高速で引く。
5. おすすめの食べ方
ヒラソウダ:まずは「刺身」で!
しっかりと血抜きをして持ち帰ったヒラソウダの刺身は、本ガツオをも凌ぐ美味しさと言われます。
モチモチとした食感と、濃厚な脂の旨味は釣り人の特権です。
皮目を炙って「タタキ」にするのも絶品です。
マルソウダ:「加熱調理」で旨味を引き出す
刺身は推奨しませんが、加熱すれば立派な食材です。
「宗田節」の原料になるほど良い出汁が出るため、以下の料理が合います。
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角煮・生姜煮: 濃いめの味付けで煮込むとご飯が進みます。
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竜田揚げ: 血合いの癖が消え、ジューシーな味わいに。
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シーチキン風: オイル煮にすると保存も効き、サンドイッチなどに最適です。
まとめ
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見分け方: 背中のウロコが「第2背ビレまで続いている」のがマルソウダ、「離れている」のがヒラソウダ。
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生食: ヒラソウダは絶品だが、マルソウダは中毒リスクが高いため加熱推奨。
- 持ち帰り: どちらも鮮度落ちが早い。
釣ったら即活け締め・血抜き・冷却を。
正しく見分けて、それぞれの個性に合った調理法で旬のソウダガツオを楽しみましょう。

