南紀の海が夏の余韻を残す頃、水温が23度前後になると、海の中では劇的な変化が起こります。
そう──アオリイカの活性が一気に上がるタイミングです。
ヤエン・エギング・ウキ釣り、どの釣法でも「急に釣れ出す」のがこの温度帯。
この記事では、
・なぜ23度という数字がアオリイカにとって“スイッチ温度”なのか
・その背景にある生理的メカニズム
・南紀での釣行タイミングの見極め方
を釣り人の視点でわかりやすく解説します。
なぜ23度でアオリイカが活性化するのか
① 代謝活動が最も効率化する温度
アオリイカは変温動物で、体温は海水温とほぼ同じです。
そのため、水温によって代謝速度が大きく変化します。
研究データによると、
・水温20度以下では代謝が低下し、活動が鈍る
・水温23〜25度で最も運動能力・摂餌行動が活発化
つまり、23度は「筋肉の反応速度・酸素消費量・運動効率」が最もバランスする“ゴールデンゾーン”。
エサを追う速さも、エギを抱く反応速度も格段に上がります。
② ベイト(アジ・小魚)が沿岸に集まる
23度を超えると、アオリイカの主食であるアジ・キビナゴ・イワシ類も浅場に接岸します。
特に夜間は、これらのベイトが堤防・磯際・漁港内に入り込み、
アオリイカが狩りやすい環境が整うのです。
風が穏やかで潮が動く夜──この条件が重なると、
南紀の各地で一斉に釣果が上がります。
③ 産卵・成長サイクルが一致する
春に産まれたアオリイカの新子(夏イカ)は、
水温23度前後で一気に成長速度を上げます。
体重が倍増するペースが早まり、
「子イカから中型イカ」へと移行するタイミング。
この“中間サイズ”が最もエサを追い、
秋の釣りシーズンを盛り上げる主役になります。
南紀地方の23度ラインはいつ訪れる?
南紀の海水温データを見ると、毎年9月下旬〜10月上旬に23度ラインを通過します。
| 月 | 平均水温(℃) | 備考 |
|---|---|---|
| 8月 | 26〜28℃ | 高水温でアオリイカは深場に滞在 |
| 9月 | 24〜25℃ | 徐々に浅場へ回遊開始 |
| 10月 | 22〜23℃ | 一気に活性化・秋の新子爆釣期 |
| 11月 | 20〜21℃ | 活性低下・深場狙いへ移行 |
つまり「朝晩が涼しくなり、海が落ち着く頃」がシーズン開幕のサイン。
この頃から、堤防や地磯でエギング・ヤエン釣りが最盛期を迎えます。
水温23度が作る“釣れる海”の条件
| 要素 | 変化 | 釣りへの影響 |
|---|---|---|
| 水温 | 20→23℃ | 代謝・行動スピードが上昇 |
| ベイト | 深場→浅場 | アオリイカの狩り範囲が広がる |
| 潮流 | 安定化 | 浮遊エサが増え、捕食機会アップ |
| 透明度 | 適度な濁り | 見切られにくく抱きやすい |
釣果が上がるときの共通点は、“動き出した海”。
風・潮・水温、この3つのリズムが合うと、アオリイカは一斉に動き始めます。
釣り人が意識すべき3つのポイント
① 水温計で実測する習慣を
堤防や漁港で「なんとなく温かい」で判断せず、
水温計で表層+中層の温度を測るのが理想です。
1〜2℃の違いで釣果が大きく変わるため、
数値化することで「今日は23度前後でチャンス」と判断できます。
② 風と潮を読む
北西風が吹き始め、空気が乾いてきたら海が混ざりやすくなります。
その結果、深場の冷たい水と表層の暖かい水が均一化し、
アオリイカが活性化しやすい環境に。
③ 時合いを逃さない
23度の海は、夜間と朝まずめにベイトが最も動きます。
この時間帯にエギを投げる・アジを泳がせるだけで、
一気にヒット確率が上がります。
南紀シーズン開幕!これから狙うなら
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エギング: 水温23℃を境に釣果急増。シャロータイプのエギが有効。
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ヤエン釣り: アジが弱りにくい秋の安定水温帯。大型も狙える。
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ウキ釣り: 表層に回遊するイカを効率よく狙える時期。
この時期は、どの釣法でも活アジの反応が良く、釣りやすいベストシーズンです。
要約
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水温23度はアオリイカの代謝が最も活発化する温度。
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ベイトが沿岸に寄り、イカの捕食チャンスが増える。
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南紀では9〜10月がこの温度帯に入り、釣りシーズン開幕。
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水温計・風・潮をチェックし、「海が動く日」を狙おう。
FAQ
Q1:22度ではまだ釣れない?
A1:釣れますが活性は上がりきっていません。23度を超えると動きが明らかに変わります。
Q2:25度以上はどうなる?
A2:高すぎる水温ではアオリイカは深場へ下がります。浅場では釣れにくくなります。


