第10章 10-3 外来種・生態系への影響|アオリイカと海のバランス


外来種問題とアオリイカ

近年、日本の沿岸では外来種や他地域由来の生物が増加しています。
その中でアオリイカ自体は「外来種」ではありませんが、外来魚や外来甲殻類との競合や、エサ資源の変化が無視できない状況になりつつあります。

・養殖の拡大による外来生物の流入
・貨物船のバラスト水に紛れて侵入するケース
・海水温の上昇で本来いなかった生物が定着

これらが間接的にアオリイカの生態系に影響を与えています。


アオリイカが受ける影響

1. ベイトフィッシュの競合

外来魚(例えばブラックバスやティラピア)が汽水域や沿岸に侵入すると、アジ・イワシ・稚魚類などアオリイカのエサと競合します。
結果としてアオリイカの餌資源が減少する可能性があります。

2. 捕食者の変化

外来の甲殻類や大型魚が増えることで、イカの卵や新子が食べられるリスクが上昇。
特に藻場や岩礁の環境変化が影響大。

3. 生息環境の悪化

磯焼けやサンゴの白化などで藻場が失われると、アオリイカの産卵場所が減少。
これは外来種のウニ類や海藻食性魚の増加とも関連しています。


アオリイカが与える影響

逆にアオリイカ自体も生態系に強い影響を与える存在です。

・捕食者として小魚や甲殻類を大量に消費
・資源量が増えると他魚種とのバランスを崩す
・短命だが世代交代が早いため、環境変化に対して敏感に反応

つまり、アオリイカは「影響を受ける側」であると同時に「影響を与える側」でもあるのです。


生態系のバランスを守るには

  1. 産卵場の保護
     藻場やリーフの保全活動に参加・協力する。

  2. 外来種への対応
     釣りや調査で見つけた場合、地域ごとのルールに従って駆除や報告を行う。

  3. 適正な釣獲
     小型の乱獲を避け、資源量を減らしすぎないことが生態系全体の安定にもつながる。


まとめ

外来種問題はアオリイカ釣りにも無関係ではありません。

・外来魚や甲殻類によるエサ資源や卵の捕食圧増大
・藻場減少による産卵環境の悪化
・アオリイカ自身も捕食者として生態系に影響

「海のバランスを守る=アオリイカ釣りの未来を守る」 という視点がこれからは重要になってきます。

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