グレ(メジナ)釣りは、その繊細なアタリと強烈な引きで、多くの釣り人を魅了する磯釣りの花形です。
日本には主に「口太グレ」「尾長グレ」、そして幻の「オキナメジナ」という
3種のグレが生息していますが、その生息比率は、釣りをする場所によって
大きく異なることをご存知でしょうか?
特に、私たちが拠点とする和歌山県「南紀地方」は、全国的な平均値とは全く異なる、
非常に特異な構成比率を持つ、まさに“グレ釣りの聖地”です。
今回は、「日本全国」と「南紀地方」、それぞれのフィールドにおけるグレ3種の構成比率(目安)
を比較し、データから南紀がいかにグレ釣り師にとって特別な場所なのかを解き明かしていきます。
※注意:この記事で紹介する比率は、厳密な科学調査に基づく統計データではなく、
全国の釣果情報や多くの釣り人の経験から導き出した、あくまで「体感的な目安」です。
まずは基準を知る!「全国的」なグレの構成比率
日本は南北に長く、多様な海洋環境を持っています。
まずは、日本全体を一つのフィールドとして捉えた場合の、グレ3種の平均的な構成比率を見てみましょう。
全国的なグレの構成比率(目安)
- 口太グレ:約88%
- 尾長グレ:約11.5%
- オキナメジナ:約0.5%
【口太グレ:88%】日本のグレの“基幹種”
日本の磯や堤防で釣れるグレの大半は、この口太グレです。
北海道南部から九州まで、日本の沿岸に非常に広く分布しています。
比較的低い水温にも強く、様々な環境に適応できる能力が高いため、全国どこでも狙える最もポピュラーなグレと言えます。
まさに、日本のグレの8割以上を占める基幹種です。
【尾長グレ:11.5%】暖流を好む南方系のスプリンター
口太グレに比べ、より暖かい海を好むのが尾長グレです。
黒潮などの暖流の影響を強く受ける太平洋側に多く、日本海側や北日本のエリアでは希少な存在となります。
生息域が限定されるため、全国的な比率で見ると1割程度と、口太に比べてぐっと少なくなります。
【オキナメジナ:0.5%】全国どこでも“幻の魚”
オキナメジナは、全国的に見ても極めて個体数が少なく、その生態にも謎が多い希少種です。
特定の深場に生息していると言われ、釣り人にとっては一生に一度出会えるかどうかの
「幻の魚」であることに変わりありません。
なぜ特別なのか?「南紀地方」のグレ構成比率
それでは、いよいよ本題です。黒潮の恩恵を最も強く受けるフィールドの一つ、
和歌山県南紀地方では、この比率が劇的に変化します。
南紀地方のグレの構成比率(目安)
- 口太グレ:約75%
- 尾長グレ:約24.5%
- オキナメジナ:約0.5%
【口太グレ:75%】主役だが、相対的に比率は低下
南紀地方においても、グレ釣りの主役が口太グレであることに変わりはありません。
入り組んだ地形と豊富なエサに恵まれ、その絶対数は日本有数です。
しかし、全国平均の88%と比べると、その比率は10%以上も下がります。
これは、次に紹介する“あの魚”の割合が異常に高いためです。
【尾長グレ:24.5%】全国平均の2倍以上!これが“尾長天国”の正体
南紀地方の最大の特徴は、この尾長グレの比率の高さにあります。
全国平均が11.5%であるのに対し、南紀ではその**2倍以上となる約24.5%**を占めます。
これこそが、南紀が全国の釣り人から「尾長天国」と呼ばれる所以です。
黒潮本流が直接ぶつかる枯木灘や串本大島といった一級の沖磯群は、尾長グレにとって水温・
エサ・地形の全てが揃った最高の楽園なのです。
【オキナメジナ:0.5%】幻は、南紀でも幻
残念ながら、オキナメジナの希少性は南紀地方でも変わりません。
その希少価値は全国共通であり、この地で出会えたならば、それは一生モノの幸運と言えるでしょう。
比較表で一目瞭然!「全国」 vs 「南紀」
この違いを分かりやすく表にまとめました。
この表から分かるように、全国平均から口太グレが占めていたパイの一部が、
南紀ではごっそりと尾長グレに置き換わっているのです。
まとめ:南紀はグレ釣り師にとっての“約束の地”
日本全国の平均的な海と比べることで、南紀がいかに「尾長グレ」に恵まれた特異なフィールドで
あるかが、お分かりいただけたかと思います。
数釣りが楽しめる豊富な口太グレをベースにしながらも、メーター級の青物に匹敵する
強烈な引きを持つ尾長グレと出会えるチャンスが、全国平均の2倍以上もある。
これこそが、多くのグレ釣り師を惹きつけてやまない南紀の海の魅力の正体です。
この豊かな海の恵みに感謝し、今日も私たちは夢の一尾を求めて、磯に立つのかもしれません。


