「まだ雨が続くのか?……」。
9月に入ってから、南紀では晴れ間がほとんど続かず、雨や曇りの日が目立っています。
釣りに行きたくても海況が安定しない。
洗濯物も乾かない。
屋外の仕事や観光にも影響する。
ここまで雨が続くと、「今年の秋の長雨は異常なのでは?」と感じる人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、9月はもともと雨の多い季節です。
ただし、短期間に前線や湿った空気の影響が繰り返されると、体感的には「梅雨より長い」と感じるほど天候不順が続くことがあります。
気象庁によると、和歌山市の9月の平年降水量は181.3mmです。
さらに南紀に近い新宮では、9月の平年降水量が443.0mmにも達します。
つまり紀伊半島南部では、9月は一年の中でも特に雨量が多くなりやすい時期なのです。
では、なぜこれほど雨が続くのでしょうか。
大きな原因のひとつが「秋雨前線」です。
夏の暖かく湿った空気と、北から下りてくる比較的冷たい空気の境目に前線が形成され、その位置が日本付近で動きにくくなると、曇りや雨の日が何日も続きます。
そこへ台風や熱帯低気圧から大量の湿った空気が流れ込むと、雨雲が発達しやすくなります。
2026年9月10日の和歌山県についても、気象庁は「前線や湿った空気の影響」で次第に雨になると発表しています。
実際、和歌山市では9月3日から雨の日が増え、3日は日照時間0時間、4日も0時間、7日も0時間、8日もわずか0.1時間でした。
8日は昼間の天気概況が「大雨時々曇」となっており、晴れの日が続かない状態が数字にも表れています。
ただし、「雨が続いている=気象的に異常」とは限りません。
気象学で異常気象と判断するには、長期間の統計と比較して、発生頻度が非常に低い現象かどうかを見る必要があります。
9月上旬だけを見て「異常気象」と断定するのはまだ早いでしょう。
一方で、釣り人にとっては十分に“異常に感じる状況”です。
長雨が続けば河川から大量の真水が流れ込み、沿岸では水潮や濁りが発生します。
海が荒れれば底荒れも起こり、魚の居場所やエサの動きも変化します。
さらに強風や高波が重なると、晴れ間が出ても釣りができない日が続くことがあります。
南紀の9月は、もともと「秋晴れ」だけの季節ではありません。
秋雨前線、台風、湿った空気が重なりやすい、一年でもかなり天候が不安定な時期です。
それでも今年のように何度も天候が崩れると、「また雨?」と言いたくなるのも当然でしょう。
異常と断定する段階ではないものの、今年の9月上旬は少なくとも“かなりしつこい秋の長雨”になっている。
これが現時点では最も実態に近い表現だと思います。
今後も南紀で釣行予定の方は、「雨が止んだか」だけではなく、前日までの降水量、河川の増水、濁り、波高、風向きまで確認してから出掛けるようにしてください。


