ゴンズイのトゲ3本は硬い!「返し」と毒の秘密に迫る
夜釣りでゴンズイが掛かったとき、最も注意したいのが鋭く硬い3本の毒トゲです。
細い針のように見えますが、実際には簡単に曲がらない強さがあり、縁には「返し」のような細かな突起があります。
この3本は、ゴンズイが外敵から身を守るために進化させた強力な防御装備です。
3本のトゲはどこにある?
ゴンズイの毒トゲは次の3カ所にあります。
- 第1背ビレの前側に1本
- 左右の胸ビレに各1本
- 合計3本
特に胸ビレのトゲは左右へ張り出すため、頭だけを押さえたつもりでも手に刺さる危険があります。
魚が暴れるとトゲの向きも変わるため、素手でつかんではいけません。
なぜ簡単に曲がらないほど硬いのか
ゴンズイの毒トゲは、柔らかなヒレ膜ではなく、骨質化した硬いヒレの条が発達したものです。
外敵に襲われた際、体を丸めたりトゲを立てたりすることで、口の中や喉へ刺さりやすくなります。
柔らかければ押された瞬間に倒れてしまいます。
鋭さだけでなく、相手の体へ突き刺さる剛性が必要なため、太く硬い構造になっているのです。
「返し」の正体はノコギリ状の細かな歯
ゴンズイのトゲの縁には、細かな鋸歯状の突起が並んでいます。
釣り針のような大きな返しが1個付いているのではなく、小さな歯が連続した構造です。
ゴンズイの分類学的な研究でも、背ビレと胸ビレのトゲには細かな歯があることが確認されています。
向きの異なる歯が組織へ引っ掛かるため、刺さると簡単には抜けず、動かすほど傷口を広げる可能性があります。
硬いトゲが刺し傷をつくり、鋸歯が内部を傷つける。
この二重構造が、ゴンズイ刺傷の痛みを強める原因の一つです。
トゲは注射針のように毒を噴射する?
ゴンズイが狙って毒液を飛ばすわけではありません。
毒に関係する組織はトゲの周辺にあり、トゲが皮膚へ刺さると、その組織が圧迫・損傷されて毒成分が傷口へ入ります。
つまり、トゲは「傷をつくる武器」と「毒を送り込む通り道」を兼ねています。
刺された直後から焼けるような痛みが起こり、腫れや水ぶくれを伴う場合もあります。
死んだゴンズイも危険
ゴンズイは死んだ後もトゲの硬さが失われず、毒にも注意が必要です。
地面へ放置された個体や、クーラーボックス内の魚を素手で触って刺されることがあります。
針を外すときは魚つかみと長いプライヤーを使い、トゲの延長線上に手を置かないようにします。
安全に外せない場合は無理をせず、ハリスを切ってから適切に処理してください。
釣り場への放置は厳禁です。
刺されたときの応急処置
傷口を清潔な水でよく洗い、やけどしない程度のお湯に患部を浸します。
環境省は、痛みが引かない場合にはトゲが残っている可能性があるため、医療機関での検査を勧めています。
深く刺さったトゲを無理に引き抜くと、鋸歯によって傷が広がる恐れがあります。
強い腫れ、しびれ、吐き気、呼吸の異常などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
ゴンズイの3本のトゲは、「硬い骨質の芯」「抜けにくい鋸歯」「毒に関係する組織」を組み合わせた防御装置です。
小さな魚だからと油断せず、釣れた瞬間から最後の処理まで素手では触らないことが最大の対策です。

