2026年秋の南紀。
今年ほど釣果予想が難しい年は、なかなかありません。
最大の理由が黒潮です。
2025年4月には、約7年9か月続いた黒潮大蛇行が終了。
そして2026年夏は、黒潮が再び潮岬へかなり接近する状態になっています。
和歌山県水産試験場の8月20日の海況では、
黒潮は室戸岬から潮岬で接岸。
潮岬沖の黒潮北縁は北緯33度25分付近。
黒潮本流は27~28℃台。
紀南沿岸には黒潮系暖水が入り、28℃台となっています。
串本西岸では28.9℃を記録しました。
つまり今年は、
「黒潮が遠かった時代の南紀」と同じ感覚では読めない可能性があります。
そこで現在の黒潮、水温、漁獲状況、秋の一般的な魚の動きを材料に、
2026年秋の南紀釣果をAIでシミュレーションしてみます。
もちろん未来の釣果を断定するものではありません。
しかし現時点では、かなり面白い結果になりました。
まず結論。2026年秋AI予測
| 魚種 | 2026年秋予測 | ピーク予想 | AI評価 |
|---|---|---|---|
| カマス | かなり期待 | 9~10月 | ★★★★★ |
| タチウオ | 遅れて上向く可能性 | 10~11月 | ★★★☆☆ |
| アオリイカ | 好調期待 | 9~11月 | ★★★★☆ |
| 青物 | 大当たりの可能性あり | 9~11月 | ★★★★☆ |
| グレ | 秋前半は苦戦、後半上向き | 11月以降 | ★★★☆☆ |
今年のキーワードは、
「黒潮=全部の魚が釣れる」ではありません。
黒潮が近づくことで、
恩恵を受ける魚。
逆に釣れる時期が遅れる魚。
釣果が極端になる魚。
この3種類に分かれると予想します。
カマス ★★★★★
今年もっとも期待できる可能性
現時点でAIが最も強気なのが、
カマスです。
これは単なる予想ではありません。
和歌山県水産試験場の8月14日から20日の漁況を見ると、
串本の定置網でカマス類が4,099kg漁獲されています。
かなり気になる数字です。
さらに南紀各地でも少しずつカマスの気配が出始めています。
白浜の見草漁港周辺でも気配があるようです。
和歌山県もカマスを9~11月の秋の魚として挙げ、紀伊水道からすさみ、熊野灘方面を主な漁場としています。
つまり、
すでに南側にカマスの魚群が存在している可能性が高い。
ここから秋の水温低下とともに、
串本。
すさみ。
白浜。
田辺。
みなべ。
という形で魚群が動けば、かなり面白くなります。
AI予測
9月前半
小型主体。
9月後半
20cm前後が増加。
10月
本命。
10月後半から11月
大型アカカマスにも期待。
2026年秋は、
「カマス当たり年」になる可能性をかなり感じます。
タチウオ ★★★☆☆
カマスとは反対に、少し慎重に見たいのがタチウオです。
タチウオそのものは和歌山では夏から狙われる魚ですが、南紀の堤防で本格化するには、
水温低下。
ベイト接岸。
回遊ルート。
この3つが重要です。
現在の紀南沿岸は28℃前後。
黒潮系暖水がかなり強く入っています。
この状態が9月まで長く続いた場合、
南紀の秋タチウオはスタートが遅れる可能性があります。
逆に10月以降、
26℃。
24℃。
22℃。
と水温が落ちてくれば状況は一変します。
そこへイワシやアジなどのベイトが入れば、
一気にタチウオが接岸する可能性があります。
今年のタチウオは、
「9月からずっと安定」
というより、
「ある日突然始まる」
タイプになると予想します。
AI予測
9月
★★☆☆☆
10月
★★★★☆
11月
★★★★☆
今年は焦らず、
秋後半まで見る魚
になりそうです。
アオリイカ ★★★★☆
アオリイカはかなり期待しています。
和歌山県でもアオリイカは9~11月を秋の旬として紹介されています。
今年のように暖水の影響が強い年は、
アオリイカの成長期間が長くなる可能性があります。
秋イカは春から夏に生まれた新子が成長したもの。
暖かい海が長く続けば、
エサを食べる期間も長くなります。
ただし一つ問題があります。
水温が高すぎると、日中の浅場から離れる可能性があること。
9月の日中は、
「アオリがいない」
のではなく、
深場。
潮通しの良い場所。
日陰。
夜間。
朝夕。
へ移動している可能性があります。
今年は特に、
朝夕と夜のエギングが強くなる
と予想します。
AI予測
9月
数釣り。
10月
数とサイズのバランス最高。
11月
大型化。
黒潮接近そのものより、
暖水+ベイト量
がプラス材料になる可能性があります。
青物 ★★★★☆
最も夢があるのが青物です。
しかし同時に、
最も予測不能なのも青物。
現在の南紀には黒潮系暖水が入っています。
さらに8月中旬の串本定置網では、
カンパチ332kg。
ムロアジ類201kg。
マルソウダ2,996kg。
などが記録されています。
これは非常に興味深い状況です。
青物にとって重要なのは、
黒潮そのものというより、
黒潮によって何のベイトが運ばれてくるか。
です。
キビナゴ。
イワシ。
ムロアジ。
小アジ。
ソウダガツオ。
こうした魚が岸際へ押し込まれれば、
カンパチ。
ブリ系。
サワラ。
シイラ。
などが一気に接岸する可能性があります。
ただし黒潮が近すぎる年は、
「毎日釣れる」
とは限りません。
沖へベイトが抜ければ、
岸から突然何もいなくなることもあります。
つまり今年の青物は、
爆発力はあるが安定感は低い。
この予測です。
AI予測
9月
カンパチ、ツバス系。
10月
青物全般に最大の期待。
11月
ブリ系とサワラに注目。
今年は、
前日はゼロ、翌朝突然ナブラだらけ。
そんな極端な秋になる可能性があります。
グレ 秋前半★★☆☆☆ 晩秋★★★★☆
逆に黒潮接近が必ずしも歓迎できないのが、
グレ釣りです。
8月20日時点で、
串本西岸28.9℃。
串本東岸27.7℃。
紀南沿岸も28℃台。
かなり高い状態です。
この状態が長引けば、
秋のグレ釣りは難しくなる可能性があります。
理由はグレそのものだけではありません。
高水温になると、
アイゴ。
イスズミ。
オヤビッチャ。
小型魚。
その他のエサ取り。
などが非常に活発になります。
つまり、
グレがいてもエサが届かない。
という状態になりやすい。
そのため今年のグレは、
9月、10月よりも、
11月以降に期待。
黒潮が近くても、季節が進んで沿岸水温が落ちれば状況は変わります。
むしろ黒潮の影響で栄養や魚の回遊が変化し、
晩秋から冬に大型グレが活発になる可能性もあります。
AI予測
9月
★☆☆☆☆
10月
★★☆☆☆
11月
★★★☆☆
12月
★★★★☆
今年の磯フカセは、
スタートが遅れる可能性
を頭に入れておいた方がよさそうです。
2026年秋、一番重要なのは「ベイト」
ここまで5魚種を予測しました。
しかし実際には、
今年の南紀釣果を決める最大の存在は、
黒潮そのものではありません。
ベイトです。
黒潮が接近。
↓
暖水が沿岸へ入る。
↓
小魚が動く。
↓
カマスや青物が追う。
↓
さらにタチウオも接岸。
この流れが完成すれば、
2026年秋の南紀はかなり面白くなります。
逆に黒潮だけが近づき、
ベイトが沖へ出れば、
岸からは非常に厳しくなる。
つまり、
「黒潮接近=爆釣」ではない。
黒潮が、
ベイトを岸へ押すか、沖へ持っていくか。
ここが最大の分岐点です。
すでに一つのサインは出ている
8月中旬の段階で、
串本定置網ではカマス類4,099kg。
マルソウダ2,996kg。
カンパチ332kg。
ムロアジ類201kg。
などが記録されています。
少なくとも、
紀南の海に魚がいない状態ではありません。
むしろ問題は、
「魚がどこへ動くのか」
です。
ここから北上するのか。
沿岸に残るのか。
沖へ出るのか。
2026年秋の南紀は、この移動で釣果が大きく変わるでしょう。
AIが予想する2026年秋のシナリオ
最も可能性が高いと考える流れはこれです。
9月
高水温継続。
カマスとアオリイカ先行。
カンパチなど暖水系青物に期待。
グレとタチウオはまだ不安定。
10月
水温が少し下がる。
カマス最盛期。
アオリイカ成長。
青物もベイト次第で爆発。
タチウオ接岸開始。
5魚種の中では10月が最も面白くなる可能性があります。
11月
水温低下。
タチウオ好機。
アオリイカ大型化。
青物継続。
カマスは大型化しながら群れが減少。
グレが本格的に上向く。
つまり、
今年は秋が後ろへ伸びる
可能性があります。
結論
2026年秋の南紀は、
平年通りにはならない可能性があります。
黒潮が潮岬へ接近し、紀南沿岸にはすでに黒潮系暖水が流入。
8月中旬の段階でカマスやカンパチなどのまとまった漁獲も確認されています。
AIシミュレーションでは、
カマス かなり期待。
アオリイカ 期待。
青物 爆発力あり。
タチウオ やや遅れる可能性。
グレ 本格化は晩秋以降。
という結果になりました。
ただし黒潮は非常に変動します。
水産研究・教育機構の海況予測システムも、日本周辺について最大約2か月先まで
予測を行っていますが、実際の沿岸海況は日々変化します。
今年は、
「去年この時期に釣れたから」
という経験則より、
今日の水温。
今日の潮色。
今日のベイト。
そして、
今日の釣果。
この4つを見る方が重要になるでしょう。
2026年秋の南紀。
予測不能だからこそ、
近年で最も面白い秋になる可能性があります。


