「猫もまたいで通るほどまずい」ことから名付けられた、不名誉な別名が「猫マタギ」です。
冬の間、身が締まり脂が乗って最高に美味しい平目も、春の産卵を終えると一気にその価値を失ってしまいます。
産卵にすべてのエネルギーを使い果たし、身はスカスカの「水ぶくれ」のような状態になってしまうからです。
この劇的な変化は、暦よりも「水温」と密接に関係しています。
美味しさのデッドラインは「水温」で見極める
平目の産卵スイッチが入る大きな目安は、海水温が 15°C を超え始めるタイミングです。
南紀エリアでは、例年であれば3月から4月にかけて、水温がじわじわと上昇し始めます。
水温が 15°C から 18°C 程度になると本格的な産卵シーズンに入り、これ以降の平目は味がガクンと落ちてしまいます。
つまり、最高に美味しい状態で味わうなら、水温が 15°C に達するまでが勝負です。
暦よりも現場の「水温計」を信じる
温暖化の影響で、最近は2月でも水温が高いまま推移することがあります。
カレンダーが2月だからといって安心はできません。
もし水温が例年より早く上昇していれば、平目の産卵サイクルも前倒しになります。
私たち釣り人が「寒平目」を追いかける際は、日付よりも「今の水温が何度か」に注目することが最も重要です。
「釣太郎」が発信しているリアルタイムの水温データを、ぜひ釣行の判断材料にしてください。
旬の終わりを惜しみ、次なるターゲットへ
自然のサイクルに合わせるのも、釣りの粋な楽しみ方です。
平目の味が落ち始めたら、それは海が次の季節へ向かっているというサインでもあります。
「猫マタギ」になる前の、脂が乗った最高の一枚を仕留めるのは、まさに今がラストチャンスかもしれません。
水温計と睨めっこしながら、今しか味わえない海の恵みを全力で楽しみましょう。

