パッと見は「マダイ(真鯛)」に見えますが、実はこれ、ちょっと違うんです。
名前は**「チダイ(血鯛)」**。
「えっ、マダイの子供じゃないの?」
そう思われがちですが、実はまったく別の種類の魚なんです。
今回は、釣り人でも間違えやすいこの2匹の違いと、意外と知られていないチダイの魅力についてお話しします。
名前が示す「決定的な証拠」
まずは、一番わかりやすい見分け方からいきましょう。
写真の魚、エラ蓋(ふた)の縁をよく見てください。
まるで血が滲んだように、濃い赤色になっていますよね。
これこそが「チダイ(血鯛)」という名前の由来であり、マダイとの最大の違いです。
マダイのエラには、この赤いラインはありません。
釣れたとき、「あれ?どっちだ?」と迷ったら、まずはエラをチェックしてみてください。
血の色が見えたら、それはチダイで確定です。
尾ビレの「黒」があるかないか
もう一つ、わかりやすいポイントがあります。
それは「尻尾の先」です。
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マダイ: 尾ビレの後ろ縁が「黒く」縁取られている。
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チダイ: 尾ビレ全体が赤く、黒い縁取りがない(写真の通りですね)。
マダイは尻尾に黒いメイクをしていますが、チダイはすっぴんの赤、と覚えるとわかりやすいかもしれません。
また、顔つきも少し違います。
チダイは「デコッパチ」とも呼ばれ、おでこが鼻先にかけて急角度で落ち込んでいます。
マダイの方が、もう少し鼻筋が通ったシュッとした顔立ちをしていますね。
「ハナダイ」とも呼ばれる春の魚
チダイは、関東などでは「ハナダイ(花鯛)」とも呼ばれます。
桜が咲く春から初夏にかけて旬を迎え、体色が鮮やかな桜色になるからです。
マダイは1メートル近くまで巨大化しますが、チダイは大きくても40センチほど。
手のひらサイズのものが多く、結婚式などの祝宴で「尾頭付き」として出される鯛は、実は形が良くて色の綺麗なこのチダイが使われることが多いんです。
マダイの代用品なんて言わせない、華やかさが彼らにはあります。
味は「水分」との戦い
肝心の味ですが、「腐っても鯛」という言葉がある通り、チダイも非常に美味しい魚です。
ただ、マダイに比べると**「水分が多い」**という特徴があります。
そのため、鮮度が落ちるのがマダイよりも早いです。
刺身で食べるなら、釣ったその日か翌日までが勝負。
身が柔らかくなりやすいので、少し塩を当てて脱水したり、昆布締めにしたりすると、マダイに負けない濃厚な旨味が出てきます。
また、水分が多いということは、焼くとふっくらするということ。
塩焼きに関しては、身がパサつきにくいチダイの方が、マダイよりも美味しいというファンも多いんですよ。
また、小さいサイズは酢で締めて、お寿司の「春子(かすご)」として楽しまれることもあります。
まとめ
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エラに血が滲んでいたらチダイ。
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尻尾の縁が黒くなければチダイ。
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おでこが出ていたらチダイ。
似ているようで、よく見ると全然違う個性を持っています。
写真のチダイ、サイズも良さそうですし、塩焼きにしたら最高のご馳走になりそうですね。
「これはマダイじゃないからハズレか…」なんて思わずに、チダイならではの繊細な春の味を楽しんでください。

