「とりあえず流水にさらせばいいんでしょ?」
もしそう思っているなら、ちょっと待った。
アオリイカの身はデリケートで、真水(水道水)との相性が最悪なんです。
正しい解凍を知るだけで、刺身の角が立ち、口に入れた瞬間の甘みが段違いになります。
1.なぜ「真水」がダメなのか?
ここだけは絶対に覚えておいてください。
「アオリイカの身に、直接水道水を当ててはいけない」
これに尽きます。
真水が直接身に触れると、浸透圧の関係でイカの旨味が外に逃げ出し、代わりに水っぽさが身に入り込んでしまいます。
結果、ふにゃふにゃで味の薄い、残念な刺身になってしまうんです。
2.時間があるなら「冷蔵庫でじっくり」が最強
一番失敗がなく、ドリップ(旨味を含んだ汁)が出にくいのがこの方法。
食べる半日前~1日前に、冷凍庫から冷蔵庫へ移すだけ。
低温でゆっくり解凍することで、細胞が急激に壊れるのを防ぎ、旨味を内側に閉じ込めたまま解凍できます。
半解凍(シャリシャリした状態)くらいで取り出して、その状態で皮を剥いたり切ったりすると、滑らずに作業もしやすいですよ。
3.急いで食べたい時の「氷塩水(こおりしおみず)」解凍
「今すぐ食べたい!晩酌に間に合わない!」
そんな時は、流水ではなく**「海水と同じ濃度の塩水」**を使います。
ボウルに氷と水を入れ、約3%の塩(水500mlに対して大さじ1杯弱)を溶かします。
そこに、ジップロックに入れたままのイカを沈めるか、もし身が裸の状態なら、この塩水に直接浸けて解凍します。
塩水なら浸透圧の影響を受けにくいので、身が白く濁ったり、水っぽくなるのを防げます。
これぞ、現場を知る釣り人の知恵です。
4.絶対にやってはいけないNG解凍
これだけはやめておきましょう、という失敗例です。
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電子レンジ解凍 加熱ムラができ、一部が煮えてしまいます。 刺身で食べるなら論外です。
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お湯解凍 表面だけ溶けて中が凍ったままになり、ドリップが大量に出ます。 臭みの原因にもなります。
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常温放置 室温での解凍は雑菌が繁殖しやすく、鮮度が急激に落ちます。 特に夏場は危険です。
まとめ:アオリイカは「待てる男」が美味しく食べる
アオリイカの冷凍は、単なる保存ではありません。
「熟成」のプロセスです。
一度冷凍することで繊維がほどよく壊れ、あの独特の甘みが引き出される。
それを100%楽しむためには、焦らず、水っぽくせず、丁寧に解凍してあげること。
たったこれだけで、スーパーの解凍イカとは比べ物にならない、極上の家飲みが約束されます。

