釣った魚や丸ごとの魚を料理する際、「水洗いしておいて」と言われたことはありませんか。
「下処理」と「水洗い」、なんとなく同じ意味で使っていませんか。
実はこの「水洗い」、単に魚を水で洗うことだけを指す言葉ではありません。
料理の世界や釣り人の間では、非常に重要な工程を指す専門用語です。
今回は、魚の美味しさを左右する「水洗い」の本当の意味と、正しい手順について解説します。
これを知っているだけで、魚料理の味が格段に変わります。
魚の「水洗い」とは何か?
結論から言うと、「水洗い」は魚の下処理における「特定の工程」を指す言葉です。
具体的には、「ウロコを取り、エラと内臓を除去し、血合いを洗って水気を拭き取るまで」の一連の作業を指します。
単に水道水で魚の表面を洗うことではありません。
この工程を「水洗い」と呼ぶ理由は、この作業までは水をジャブジャブ使って洗うからです。
逆に言うと、この「水洗い」の工程が終わった後は、基本的に魚の身に水を当ててはいけません。
ここが魚料理の運命の分かれ道となります。
なぜ「水洗い」の範囲が決まっているのか
魚の身は、水に触れるとスポンジのように水分を吸収してしまいます。
真水を含んだ魚の身は「水っぽい」味になり、旨味が逃げ出し、傷みやすくなります。
そのため、内臓や血などの汚れを落とす「水洗い」の段階までは手早く水を使います。
しかし、一度キレイにした後は、三枚おろしや刺身にする工程で、極力水を使いません。
「水洗い」は、水を使って作業する「限界ライン」を示す言葉でもあるのです。
完璧な「水洗い」の3ステップ
美味しい魚料理を作るための、正しい「水洗い」の手順をご紹介します。
1. ウロコを落とす
まずはヒレや身を傷つけないよう、丁寧にウロコを落とします。
この段階では、水を流しながら作業しても構いません。
2. 頭・エラ・内臓を取り除く
魚の種類や料理に合わせて頭を落とし、エラと内臓を取り出します。
この時、包丁を使って中骨にある「血合い」の膜に切れ込みを入れておきます。
3. 腹の中を洗い、徹底的に拭く
ここが最重要ポイントです。
ササラや歯ブラシ、あるいは指を使って、背骨に沿った「血合い(赤い腎臓部分)」を流水で綺麗に洗い流します。
この血が残っていると、生臭さの最大の原因になります。
洗った後は、キッチンペーパーで腹の中、表面の水分を「これでもか」というほど完璧に拭き取ります。
水分が少しでも残っていると、細菌の繁殖や臭いの原因になります。
まとめ
「魚の下処理」という大きな枠組みの中に、基礎となる「水洗い」という工程があります。
「ウロコ・エラ・内臓・血合いを取り、水気を拭き取るまで」が水洗いです。
この言葉の意味を正しく理解し、メリハリをつけて水を使うことで、魚の味は劇的に良くなります。
次回の釣果やスーパーで買った魚で、ぜひ実践してみてください。

