「鮮度落ち=煮付け」は本当に正解なのか?
釣ってきた魚を冷蔵庫で寝かせすぎてしまった。
そんな時、多くの人は「とりあえず煮付けにしてしまおう」と考えます。
確かに、醤油や生姜の強い香りで煮込むのは、古くからの知恵です。
しかし、実は煮付けよりも「油」を使った料理の方が、鮮度の落ちた魚を救済するには向いていることがあります。
今回は、鮮度が落ちた魚の調理法として、煮付けとバター焼き(ムニエル)のどちらがお勧めかを比較検証します。
煮付けが「諸刃の剣」になる理由
煮付けは、濃い味付けで魚の味をカバーできる優れた調理法です。
しかし、鮮度が落ちて身が緩くなった魚を煮ると、さらに身崩れしやすくなる欠点があります。
また、煮汁に魚の臭みが溶け出してしまうため、アク取りを徹底しないと、料理全体が生臭くなってしまうリスクもあります。
「生姜をたくさん入れたのに、なんとなく臭い」という経験がある方は、魚の臭みが煮汁に移ってしまったことが原因かもしれません。
煮付けは、ある程度の鮮度が残っている魚に向いている料理と言えます。
お勧めは断然「ムニエル・バター焼き」
結論から言うと、鮮度が落ちて臭みが気になる魚には、「ムニエル」や「バター焼き」の方がお勧めです。
これには、科学的な理由が3つあります。
1. 「マスキング効果」が高い
バターやオリーブオイルといった油脂には、魚の生臭さを包み込んで感じさせなくする「マスキング効果」があります。
煮付けの水溶性の煮汁よりも、油膜の方が臭いを閉じ込める力は強力です。
さらに、バターの乳製品特有の香りが、魚のトリメチルアミン(生臭さの成分)を効果的に中和してくれます。
2. 高温調理で臭みを飛ばす
煮付けは100度前後の煮汁で加熱しますが、フライパンでのソテーはそれ以上の高温になります。
この高温調理によって、表面の生臭い水分を一気に飛ばすことができます。
また、焼き目がつくことで「メイラード反応」という香ばしい香りが生まれ、食欲をそそる良い香りが生臭さを上書きしてくれます。
3. 小麦粉が身崩れを防ぐ(ムニエルの場合)
鮮度が落ちると身の繊維が弱くなりますが、ムニエルのように小麦粉をまぶすことで、魚の表面をコーティングできます。
これにより、焼いても身崩れしにくくなり、中の旨味も逃げにくくなります。
パサつきがちな古い魚でも、油を吸った衣のおかげで、ふっくらジューシーに仕上げることが可能です。
さらに美味しく食べるための「ひと手間」
もし臭みがかなり気になる場合は、バター焼きやムニエルにする際に「ハーブ」や「スパイス」を活用しましょう。
ニンニク、ローズマリー、カレー粉、ブラックペッパーなどは、魚の臭い消しとして最強の相棒です。
特にカレー風味のムニエルや、ガーリックバター焼きにすれば、鮮度が落ちた魚とは思えないほどのご馳走に生まれ変わります。
まとめ
鮮度が落ちた魚を美味しく食べるなら、煮付けよりも「油で焼く」選択肢を持ちましょう。
特に小麦粉をまぶしたムニエルや、香ばしいバター焼きは、臭みを消しつつ食感も補える理にかなった調理法です。
「ちょっと古くなったかな?」と思ったら、迷わずフライパンとバターを用意してください。

