「アオリイカの産卵=春」という常識は、南紀地方においては半分正解で、半分間違いです。
黒潮の恩恵を受ける温暖な和歌山・南紀エリアでは、実は春以外にも産卵行動が見られます。
今回は、南紀におけるアオリイカの産卵活動を月別で数値化し、なぜ春以外にもチャンスがあるのかを解説します。
これを知れば、あなたのエギングシーズンは劇的に長くなるはずです。
南紀アオリイカ 年間産卵比率(イメージ)
南紀地方におけるアオリイカの産卵活動を、年間100%として月別に振り分けると以下のようになります。
※水温や年による変動はありますが、概ねの目安です。
| 月 | 産卵比率 | 傾向 |
| 1月 | 5% | レッド系(赤系)の接岸が始まる |
| 2月 | 10% | 低水温期だが大型の産卵が絡む |
| 3月 | 15% | 春イカシーズンの開幕 |
| 4月 | 20% | 春のハイシーズン(第1のピーク) |
| 5月 | 25% | 春のハイシーズン(最大ピーク) |
| 6月 | 10% | ホワイト系(白系)が主体になる |
| 7月 | 5% | 晩春・初夏の残りイカ |
| 8月 | 2% | 産卵活動は一旦落ち着く |
| 9月 | 3% | 秋産卵の個体が動き出す |
| 10月 | 3% | 秋の新子と混じり親イカも存在 |
| 11月 | 2% | 晩秋の産卵個体 |
| 12月 | 0% | ほぼ停止(深場へ落ちる準備) |
なぜ「春だけ」ではないのか?
表を見て分かる通り、春(4月〜6月)が全体の約55%を占め、最大のピークであることは間違いありません。
しかし、残りの約45%は春以外の季節に分散しています。
その理由は大きく分けて2つあります。
1. 種類の違い(赤系と白系)
アオリイカには大きく分けて「赤系(レッドモンスター)」と「白系」の2タイプが存在します。
一般的に知られる春の産卵は「白系」がメインです。
しかし、南紀で人気の巨大な「赤系」は、白系よりも早い時期(冬〜早春)に産卵行動に入ることが多いです。
そのため、1月・2月の厳寒期でも、南紀では産卵を意識したデカイカが狙えるのです。
2. 黒潮による海水温の高さ
南紀は黒潮が接岸するため、真冬でも水温が16度〜18度を下回らないことがあります。
アオリイカは水温が安定していれば、季節を問わず産卵行動を起こす可能性があります。
実際に、秋(9月〜10月)に釣れたアオリイカが卵を持っていたという事例も、南紀では珍しくありません。
季節ごとの攻略イメージ
冬〜早春(1月〜3月):一発大物狙い
全体の約30%にあたるこの時期は、数は出ませんが、釣れれば記録級のサイズが期待できます。
産卵場所となる藻場(ホンダワラなど)が育ち始めるエリアを重点的にチェックしましょう。
春(4月〜6月):数も型も狙える本番
全体の約55%が集中する最大のチャンスです。
浅場の藻場にイカが差してくるため、サイトフィッシングも楽しめます。
オスとメスがペアで行動することが多いのもこの時期の特徴です。
夏〜秋(7月〜11月):意外な伏兵
比率は低いですが、完全にゼロではありません。
特に秋の産卵個体は、新子(子イカ)狙いのエギンガーの竿を強烈に曲げる「ハプニング」として現れます。
「秋は小さい」と決めつけず、潮通しの良い深場を攻めると、産卵絡みの良型に出会えるかもしれません。
まとめ
南紀のアオリイカ釣りにおいて、「シーズンオフ」という言葉は捨ててください。
確かに春は確率が高いですが、冬のレッド系や秋の産卵個体など、年間を通してドラマが待っています。
「今は時期じゃないから」と諦めず、その時期ごとのパターンを探ることが釣果への近道です。
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