「釣ったアジがまずい」のはなぜ?その原因は“処理”にあり!天国と地獄ほどの差が出る3つの理由を解説

アジの価値を決めるのは「釣った後」

「今日はアジがたくさん釣れた!今夜は刺身だ!」と意気揚々と帰宅し、いざ食べてみたら…

「あれ?なんか生臭い?」「身がグズグズで美味しくない…」

こんな経験はありませんか?

もし心当たりがあるなら、あなたは非常に損をしています。

断言します。アジは「釣った後の処理で味が9割決まる」魚です。

スーパーで安く売られているアジと、釣り人が適切に処理したアジは、生物学的には同じ魚でも、

食材としては「全くの別物」と言っても過言ではありません。

なぜ、そこまで劇的な差が生まれるのでしょうか?

今回はその理由を徹底解説します。


1. なぜアジは「処理」で劇的に変わるのか?(3つの科学的理由)

アジが「処理で9割変わる」と言われる背景には、アジという魚が持つデリケートな特性があります。

美味しさを損なう主な原因は以下の3つです。

① ストレスによる「うっ血」と「旨味の消失」

アジは非常にストレスに弱い魚です。

釣り上げられてバケツの中で激しく暴れると、以下のことが起こります。

  • うっ血(血が回る): 毛細血管が切れ、身の中に血液がにじみ出ます。血液は腐敗が最も早く、生臭さの最大の原因となります。

  • エネルギー枯渇: 暴れることで、旨味の元となるエネルギー物質(ATP)を使い果たしてしまい、味が薄くなります。

② 体温上昇による「自己消化(身割れ)」

魚は変温動物です。

冷たい海中から、気温の高い地上(特に夏場の堤防など)に上げられると、体温が急激に上昇します。

体温が上がると、魚自身の持つ消化酵素が活発に働き出し、自分の身を分解し始めます(自己消化)。

これが身が柔らかくなり、グズグズになる原因です。

③ 真水との接触による「水っぽさ」

氷が溶けた真水や、水道水に直接魚体が触れると、浸透圧の関係で身が水を吸ってしまいます。

結果、身が白っぽくふやけ、水っぽくて旨味のない味になってしまいます。


2. 最高級魚に変身させる「正しい手順」とは?

上記の劣化原因をすべて断ち切るのが、釣り人だけが実践できる「正しい現場処理」です。

やるべきことは、シンプルですが強力な3つのステップです。

手順① 即締め(ストレス・発熱の遮断)

  • 何をする? 釣れたらすぐに、ピックなどで脳を破壊(脳締め)するか、キンキンに冷えた海水氷へ投入(氷締め)し、即死させます。

  • なぜ? 暴れるのを物理的に止め、ストレスによる「うっ血」と「体温上昇」を防ぎ、旨味エネルギーを温存するためです。

手順② 血抜き(臭みの元の除去)

  • 何をする? エラを切って、バケツの海水中で振るい、体内の血を出し切ります。(※心臓が動いている締めた直後が効果的)

  • なぜ? 腐敗と生臭さの元凶である血液を体外に排出し、透明感のある美しい身質を保つためです。

手順③ 冷却(酵素活性の停止)

  • 何をする? たっぷりの氷と海水で作った「海水氷(潮氷)」に魚を漬け込み、芯まで急冷します。

  • なぜ? 体温を強制的に下げることで酵素の働きを止め、「自己消化」による身質の劣化を防ぐためです。(真水に触れさせない効果もあります)


まとめ:手間をかけた分だけ、感動が返ってくる

「たかがアジに、そこまでするの?」と思われるかもしれません。

しかし、「デリケートで変化しやすいアジだからこそ」、このひと手間が味に天と地ほどの差を生むのです。

適切に処理されたアジの刺身は、臭みが一切なく、透き通るような身と、もちもちとした食感、

そして強い甘みを持っています。

これは高級料亭でしか味わえないレベルの、まさに「最高級魚」の味です。

この感動を味わえるのは、現場で処理ができる釣り人だけの特権です。

ぜひ次回の釣行からは、「釣るための道具」だけでなく、

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