私たち釣り人にとって、オキアミといえば「魚を寄せるためのエサ」です。
3kgブロックを豪快に海に撒く姿は、釣り場では日常の光景です。
しかし、もしそのブロックが「サプリメントの山」や「高級化粧品の原料」だとしたら、見方が少し変わりませんか?
実は南極オキアミは、その栄養価の高さから「南極の宝石」とも呼ばれ、人間にとっても非常に価値のある資源なのです。
今回は、海の中だけでなく、私たちの生活のあちこちに隠れているオキアミの活躍ぶりをご紹介します。
健康業界で大ブーム!「クリルオイル」の実力
今、世界中で最も注目されているのが、オキアミから抽出した油**「クリルオイル」**です。
健康食品売り場やネット通販で、サプリメントとして高値で取引されています。
なぜ、魚油(フィッシュオイル)ではなくオキアミなのでしょうか?
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次世代のオメガ3脂肪酸: オキアミに含まれるDHAやEPAは、人間の細胞と馴染みやすい「リン脂質」という形をしています。 そのため、一般的な青魚の油よりも**「体内への吸収率が圧倒的に高い」**と言われています。
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クリーンな成分: 汚染の少ない南極海で育ち、食物連鎖の下位にいるため、水銀などの有害物質の蓄積が極めて少ない「きれいなオイル」としても人気です。
あの赤い色が効く!化粧品への活用
オキアミの体色が「赤っぽい」のは、**「アスタキサンチン」という色素成分を大量に含んでいるからです。
このアスタキサンチンは、ビタミンEの数百倍とも言われる強力な「抗酸化作用(アンチエイジング効果)」**を持っています。 そのため、
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シミ・シワ対策の美容クリーム
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日焼け止めの成分
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肌のハリを保つ化粧水 など、高級化粧品の原料としても広く使われています。 私たちが普段、海に撒いているあの赤い成分は、実は美容液と同じ成分なのです。
食卓を彩る「影の立役者」として
直接私たちがオキアミを食べる機会は少ないかもしれませんが(※日本では近海のアミ類を
食べますが)、間接的には毎日のように口にしています。
それは**「養殖魚のエサ」**としてです。
例えば、スーパーで売られている養殖のマダイやサーモン。
あの美味しそうな「赤い身の色」や「皮の赤み」を出すために、オキアミを配合したエサが与えられています。
オキアミがいなければ、食卓の魚はもっと白っぽく、味気ないものになっていたかもしれません。
また、近年ではそのタンパク質の高さから、畜産(ニワトリや豚)の飼料や、加工食品の
旨味エキスとしても活用が進んでいます。
未来の食料?「マリンビーフ」の可能性
かつて日本では、オキアミの肉を加工して食用にする「マリンビーフ」という研究が進められたこともありました。
当時は普及しませんでしたが、世界的な人口増加による食糧難が懸念される今、再び「高タンパク源」として注目されています。
ロシアや東欧など一部の国では、すでにオキアミの缶詰やペーストが一般的な食材として親しまれています。
日本でも近い将来、オキアミバーガーやオキアミナゲットがコンビニに並ぶ日が来るかもしれません。
まとめ:オキアミは「地球のスーパーフード」
釣りエサとして何気なく使っているオキアミですが、その正体は、健康、美容、そして食料問題
まで解決しうる「地球のスーパーフード」でした。
そう考えると、私たちが普段釣具店で買っているオキアミブロックが、なんだかとても贅沢な
ものに見えてきませんか?
魚が夢中になって食べるのも無理はありません。
これほど栄養満点なご馳走なのですから。
次回、オキアミをカゴに詰める時は、「これは魚への最高のプレゼントだ」と思って撒いてみてください。
きっと、その価値に見合った大物が応えてくれるはずです。

