「アオリイカの旬はいつ?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか。
柔らかい数釣りの秋、あるいはモンスター狙いの春と答える方が大半でしょう。
しかし、食通や料理人の間では**「甘みが最強になるのは冬」**というのが定説です。
ではなぜ、一番アオリイカの味を知っているはずの釣り人たちが、この事実を見落としてしまうのでしょうか。
そこには、冬の海特有の「誤解」と「ハードル」が隠されていました。
見出し1:理由1. そもそも「釣り場に立つ人」が激減するから
最大の理由はシンプルです。
「冬のアオリイカを食べたことがある人が圧倒的に少ない」からです。
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オフシーズンの思い込み: 多くのエギンガーにとって、北風が吹き荒れる冬はオフシーズンです。 「寒くて釣れない時期」と決めつけ、竿を置いてしまうため、冬イカの実食経験がないまま春を迎えてしまいます。
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遭遇率の低さ: 冬は回遊待ちの釣りになりがちで、ボウズ(釣果ゼロ)のリスクも高まります。 「釣れない=食べられない」ため、その美味しさが口コミで広がりにくいのです。
見出し2:理由2. 「硬い」と勘違いして損をしている
運良く冬に釣れたとしても、食べ方で損をしているケースが多々あります。
冬のアオリイカは身が筋肉質で締まっているため、釣った直後の「釣りたて」を食べると、
「ゴリゴリして硬いだけ」という感想になりがちです。
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真価は「寝かせ」てから: 秋の新子は当日の透明な刺身が最高ですが、冬の良型は**冷蔵庫で2〜3日寝かせて(熟成させて)**初めて本領を発揮します。 この「熟成のひと手間」を知らずに、コリコリ信仰のまま食べてしまい、「冬はやっぱり硬くて微妙だな」と誤解してしまうのです。
見出し3:理由3. スーパーには並ばない「幻の味」だから
アジやサバなら、旬の時期にスーパーで買って味を確認できます。
しかし、刺身で食べられる高鮮度の国産アオリイカ(特に冬の大型)がスーパーに並ぶことは稀です。
高級料亭に直行してしまうため、一般のアングラーが市場を通じてその味を知る機会はほぼありません。
つまり、「自分で釣って、正しく熟成させた人」だけが辿り着ける味なのです。
まとめ:冬の海に向かう者だけが得られる特権
アオリイカ釣り師が冬の美味しさを知らない理由。
それは、「寒さに勝って釣り上げ」、かつ**「正しく熟成させた」**者しか味わえない、
ハードルの高い美食だからです。
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人が減る時期だからこそ、情報が出回らない。
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**調理法(熟成)**を変えないと、真価が分からない。
しかし、ここ南紀エリアでは、黒潮のおかげで冬でも竿が出せます。
「釣り人の特権」を本当の意味で行使できるのは、今の時期です。
ぜひ、この冬こそは「幻の甘み」を確かめにいらしてください。

