寒い季節、熱々の「魚ちり鍋」や「寄せ鍋」は最高のご馳走ですね。
しかし、せっかく新鮮な魚を用意したのに、いざ食べてみると「なんとなく生臭い」
「スープが濁ってアクだらけ」といった経験はありませんか。
その原因のほとんどは、鍋に入れる前の「ほんの一手間」が足りていないことにあります。
ご質問にある「一度お湯でさっと湯通ししたほうがいい?」という疑問。
結論から申し上げますと、**「絶対にやった方がいい」**です。
この工程を料理用語で**「霜降り(しもふり)」**と呼びますが、これを行うかどうかで、鍋の完成度は天と地ほど変わります。
今回は、なぜこの「湯通し(霜降り)」が必要なのか、その理由と、失敗しない正しい手順について解説します。
理由1:生臭さの元凶「ぬめり・血合い」をリセットできる
魚を鍋に入れる前に「湯通し(霜降り)」を行う最大の目的は、**強力な「臭み取り」**です。
魚の表面には、独特の生臭さの原因となる「ぬめり」や、時間が経って酸化した脂が付着しています。
また、骨の周りや切り身の断面には、臭みの元である「血合い」が残っていることが多いのです。
これらをそのまま鍋に入れて煮込むと、汚れがスープ全体に溶け出し、部屋中に広がるような生臭い鍋になってしまいます。
【霜降りの効果】
サッとお湯をかけることで、表面のタンパク質が瞬時に固まります。
すると、ぬめりや汚れが白く浮き上がり、簡単に洗い流せる状態になるのです。
特に臭みが出やすい「アラ(頭や骨)」を使う場合は、必須の作業です。
理由2:旨味を閉じ込め、煮崩れを防ぐ
湯通し(霜降り)には、臭み取り以外にも嬉しい効果があります。
●旨味の流出を防ぐ
表面を一瞬で加熱してコーティングするため、魚が持つ本来の旨味成分や脂が、不用意にスープに流れ出るのを防ぎます。
●煮崩れしにくくなる
身の表面がキュッと引き締まるため、鍋の中で長時間煮ても身が崩れにくくなり、見た目もきれいに仕上がります。
実践!失敗しない「霜降り」の正しい手順
では、具体的なやり方をご紹介します。 ポイントは「温度」と「スピード」、そして「冷水」です。
【準備するもの】
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80℃〜90℃のお湯(沸騰したてのお湯に少し水を足す程度)
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氷水を張ったボウル
【手順】
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ザルに並べる 魚の切り身やアラをザルに重ならないように並べます。
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お湯を回しかける(2〜5秒) 準備したお湯を、まんべんなく回しかけます。 表面がサッと白っぽくなったらOKの合図です。 ※沸騰した100℃のお湯だと皮が破れたり、身が反り返ったりするので注意してください。
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即、氷水へ! お湯をかけたら、すぐにザルごと(または魚だけを)氷水の中に入れます。 この「急冷」が重要です。余熱で火が通り過ぎるのを防ぎ、身を引き締めます。
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優しく「掃除」する ここが一番大事な工程です。 氷水の中で、指の腹を使って魚の表面をやさしく撫でるように洗いましょう。 白く浮き上がったぬめりや、骨の隙間に残った血の塊(血合い)を丁寧に取り除きます。 ウロコの取り残しもここでチェックします。
これで下処理は完了です。水気を拭き取って鍋に入れましょう。
まとめ
魚の鍋料理における「湯通し(霜降り)」は、単なる通過点ではなく、味を決める最も重要なステップです。
この一手間をかけるだけで、スープは透き通り、魚はふっくらと上品な味わいに変わります。
まるで料亭で食べるような本格的な魚鍋が、家庭でも簡単に再現できるようになりますよ。
ぜひ、次回の鍋料理から実践してみてください。

