はじめに:「全部のフグに毒がある」は間違い?
結論から言うと、「全てのフグに毒があるわけではありません」。
シロサバフグ(カナフグ)のように筋肉も皮も無毒な種類も存在します。
しかし、**「日本近海で釣れるフグの大部分は、体のどこかに猛毒(テトロドトキシン)を持っている」のが現実です。
さらに厄介なのが、「種類によって毒のある場所(部位)が違う」**こと。
Aというフグでは食べられる「皮」が、Bというフグでは「猛毒」であるケースが多々あります。
これが素人調理による事故がなくならない最大の原因です。
1. 【保存版】主要フグの「部位別」毒性一覧表
厚生労働省が定めている「処理等により人の健康を損なうおそれがないと認められるフグ」の基準をベースに、釣りでよく見かける種類をまとめました。
記号の意味:
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◎:食べられる(無毒)
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×:食べられない(有毒・猛毒)
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-:食用としない(可食部が小さい、または詳細不明)
| 魚種名 | 皮(スキン) | 筋肉(身) | 精巣(白子) | 卵巣・肝臓 |
| トラフグ | ◎ | ◎ | ◎ | × 猛毒 |
| マフグ | × 猛毒 | ◎ | ◎ | × 猛毒 |
| ショウサイフグ | × 猛毒 | ◎ | ◎ | × 猛毒 |
| ヒガンフグ | × 猛毒 | ◎ | - | × 猛毒 |
| クサフグ | × 猛毒 | △(弱毒※1) | × 猛毒 | × 猛毒 |
| コモンフグ | × 猛毒 | × 弱毒 | × 猛毒 | × 猛毒 |
| シロサバフグ | ◎ | ◎ | ◎ | × 猛毒 |
| ドクサバフグ | × 猛毒 | × 猛毒 | × 猛毒 | × 猛毒 |
※1 クサフグの身について:
筋肉は弱毒とされていますが、個体が小さく内臓の毒が移りやすいため、一般的に**食用不可(×)**と考えた方が安全です。
★最大の注意点:
表を見て分かる通り、「皮」や「身」に毒がある種類が多いです。
「身だけなら大丈夫」という常識は、コモンフグやヒガンフグ(皮)、ドクサバフグ(全身)には通用しません。
2. 部位ごとの毒と危険性について
① 肝臓(キモ)・卵巣(真子)
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危険度:MAX(即死レベル)
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解説: ほぼ全てのフグで猛毒です。「昔は食べていた」「煮れば毒が消える」は迷信です。テトロドトキシンは300℃以上に加熱しても分解されません。絶対に食べてはいけません。
② 皮(スキン)
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危険度:種類による(ここが落とし穴)
- 解説: トラフグの皮(湯引き)は美味ですが、ショウサイフグやヒガンフグの皮は猛毒です。
釣り人が「フグが釣れたから皮を湯引きにしよう」として中毒になるケースは、魚種の同定ミス(種類を勘違いする)が原因です。
③ 筋肉(身)
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危険度:基本は安全だが例外あり
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解説: ドクサバフグやコモンフグは筋肉自体に毒を持っています。また、捌く際に内臓を傷つけ、その体液が身に付着すると、無毒な身も「毒物」に変わります。
④ 血(血液)
- 解説: 「フグの血には毒がある」とよく言われますが、正確には**「血中にもテトロドトキシンが含まれる」ため、徹底的な水洗い(晒し)が必要です。
ウナギの血(イクシオトキシン)とは毒の性質が異なりますが、いずれにせよ「真っ白になるまで血を抜く」**のがフグ調理の鉄則です。
3. 最も危険な罠!「サバフグ」のそっくり問題
釣り人を震え上がらせるのが、「シロサバフグ(無毒)」と「ドクサバフグ(猛毒)」の見た目が酷似している問題です。
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シロサバフグ(安全): 全身無毒(肝臓除く)。唐揚げなどで人気。
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ドクサバフグ(危険): 筋肉・皮・内臓すべてが猛毒。
【見分け方の難易度】
背中のトゲの範囲や尾ビレの形で見分けますが、個体差があり、プロでも一瞬迷うことがあります。
温暖化により、本来南方系のドクサバフグが北上してきており、シロサバフグの群れに混じって釣れることがあります。
対策:
サバフグ系が釣れても、**「100%の確信がなければ全てリリースする」**のが賢明です。
まとめ:フグは「免許」のいる魚です
「自分はベテランだから大丈夫」
「Youtubeで見よう見まねで捌いてみよう」
この油断が、毎年のように死亡事故を引き起こしています。
フグの毒、テトロドトキシンには解毒剤がありません。
当たれば、意識を保ったまま呼吸ができなくなり、死に至ります。
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種類によって毒の場所がバラバラ
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皮にも身にも毒がある種類がいる
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素人の見分けは危険
釣れたフグは、原則リリースするか、免許を持ったプロの料理人に依頼してください。
命を守ってこその、楽しい釣りライフです。

