オキアミを遠投すると針から外れるのはなぜ?
原因はキャスト時の遠心力と空気抵抗にあります。
飛距離と「身切れ」の関係や、青イソメとの比較、エサ持ちを良くする具体的な対策を徹底解説。
カゴ、フカセ、遠投サビキ釣りファン必見の情報です。
記事本文
はじめに:回収した針にエサがない絶望感
渾身の力で遠投し、潮に乗せて流す。 期待を込めて回収すると、そこには何もついていない針だけが戻ってくる……。
こんな経験はありませんか?
「魚が食べたのかな?」と思いたいところですが、ウキに反応がなかった場合、そのほとんどは**「キャストした瞬間にエサが外れている」**のが現実です。
今回は、オキアミがなぜ外れるのか、その物理的な原因と、青イソメとの違い、そして明日から使える対策について解説します。
1. 犯人は「遠心力」と「空気抵抗」のダブルパンチ
結論から言うと、オキアミが外れる最大の原因は**「キャスト時の強烈な負荷」**です。 これには2つの力が働いています。
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遠心力(G): 竿を振るスピードが速ければ速いほど、竿先にあるエサには外側へ引っ張られる強烈な重力(G)がかかります。 柔らかいオキアミの身は、この「引っ張られる力」に耐えきれず、針金のように細い針軸によって切断されてしまうのです。
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空気抵抗(風圧): オキアミは形状が複雑で、空気抵抗を受けやすい形をしています。 時速100km近いスピードで空中に放たれた瞬間、オキアミには暴風に晒されるのと同じ圧力がかかり、身崩れを起こします。
つまり、オキアミは「引っ張られ」ながら「風圧で押しつぶされる」ことで、空中でバラバラになって飛び散っているのです。
2. 遠くへ投げれば投げるほど、針はずれは多くなる?
これについては**「イエス」です。 しかも、少し遠くへ投げるだけで、リスクは倍増**します。
物理的な話を少しだけすると、遠心力は「回転半径×角速度の2乗」に比例します。
簡単に言えば、**「飛距離を伸ばそうとしてスイングスピードを上げると、エサにかかる負荷は『2乗』で増えていく」**ということです。
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軽く投げた時:エサへの負荷は小さい(安全)。
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本気で遠投した時:エサへの負荷は数倍〜数十倍に跳ね上がる(危険)。
特に、竿を「ビュッ!」と鋭く振るようなキャストは、瞬間的に強烈なGがかかるため、オキアミにとっては致命的です。
「沖の潮目を狙いたい!」と力めば力むほど、皮肉にもエサのない針を投げ込む確率が高まってしまうのです。
3. 青イソメなら外れないのか?
では、エサを「青イソメ」に変えれば解決するのでしょうか?
結論は**「オキアミよりは格段に強いが、絶対に外れないわけではない」**です。
【青イソメが強い理由】
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皮膚の強靭さ:オキアミの殻や身に比べ、青イソメの皮は筋肉質で非常に丈夫です。
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形状:細長い形状は空気抵抗を受け流しやすく、飛行姿勢が安定します。
しかし、青イソメであっても「身切れ」は起こります。 特に、以下の場合は注意が必要です。
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縫い刺しが甘い場合:針を通している部分が少ないと、そこから切れます。
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超遠投の場合:投げ釣り(キス釣りなど)で100m以上飛ばすようなフルスイングでは、タラシを長くしすぎると千切れることがあります。
とはいえ、磯釣りやカゴ釣りレベルの遠投であれば、オキアミに比べて生存率は90%以上高いと言っても過言ではないでしょう。
「とにかくエサを残したい」なら青イソメは有効な選択肢です。
4. それでもオキアミで釣りたい!具体的な4つの対策
対象魚によっては、どうしても食いの良いオキアミを使いたい場面があります。
遠投してもオキアミを針に残すためのテクニックを紹介します。
① 「加工オキアミ(ハードタイプ)」を使う
生のオキアミではなく、砂糖や添加剤で身を締めた「ハード加工」や「ボイル」されたオキアミを使いましょう。
生オキアミに「味の素」や「塩」を振りかけて、自分で脱水して締めるのも非常に効果的です。
② 針の刺し方を工夫する(抱き合わせ・背掛け)
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背掛け:殻の硬い背中側に針を通すことで、身切れを防ぎます。
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2匹掛け(抱き合わせ):エサのボリュームが増し、針との接点が増えるため外れにくくなります。
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軸の太い針を使う:細い針は包丁のように身を切ってしまいます。軸が太い針の方が、身との接地面積が広く切れにくいです。
③ キャストフォームを変える
これが最も重要かもしれません。
「ビュッ!」と弾くようなキャストではなく、「運ぶような」キャストを意識してください。
竿の弾力全体を使って、初速を抑えつつ大きく振ることで、瞬間的なGを減らし、エサを守ることができます。
④ カゴ釣りなら「カゴに守ってもらう」
カゴ釣りにおいては、ハリスを長くしすぎず、カゴの中に針(とエサ)がきれいに収納されるようにセッティングしましょう。
着水までカゴの中にエサがあれば、遠心力や空気抵抗の影響をほぼ受けません。
まとめ
オキアミが遠投で外れるのは、物理的な宿命です。
遠くへ飛ばそうとするほど、そのリスクは幾何級数的に高まります。
しかし、エサの加工やキャストの工夫で、その確率は劇的に下げることができます。
「回収したらエサがない」が続いたら、まずは**「キャストを優しくする」か「エサを硬くする」**ことから始めてみてください。
エサさえついていれば、大物が食ってくるチャンスは必ず訪れます!

