釣り人必見!アオリイカの「W型の眼」は超高性能。なぜ大きい?魚と何が違う?

アオリイカを釣り上げた時、その不思議な「眼」に魅入られたことはありませんか。

(ご提供いただいた画像のような、まるでアルファベットの「W」か「U」のような形の瞳孔)。

「なぜこんな形なんだろう?」

「魚の眼とは全然違うけど、イカはみんなこうなの?」

「体に比べて、あんなに大きいのはなぜ?」

アオリイカの眼は、彼らが優れたハンターであるための秘密が詰まった「超高性能センサー」です。

今回は、アオリイカをはじめとするイカ類の眼の凄さと、それがエギングにどう関係するのかを、釣り人目線で詳しく解説します。


1. イカの眼は「カメラ」と同じ? 魚との決定的な違い

まず、アオリイカの眼は、他のイカ類(ヤリイカ、スミイカなど)と基本的な構造は非常に似ています。

そして、その構造は「カメラ眼」と呼ばれ、実は私たち人間や魚類の眼ともよく似ています(レンズがあり、網膜で像を結ぶ)。

しかし、似ているようでいて、決定的に違う点が2つあります。

違い①:ピントの合わせ方(フォーカス機能)

  • 人間や魚の場合: レンズの「厚み(曲率)」を変えることでピントを合わせます。
  • イカ(アオリイカ)の場合: レンズの厚みは変えません。 **一眼レフカメラのレンズのように、レンズ自体を「前後に動かす」**ことでピントを合わせます。

イカは、獲物(ベイト)との距離を正確に測り、瞬時にピントを合わせて捕食します。

あの素早い触腕の伸びは、この正確なフォーカス機能があってこそです。

違い②:「盲点(見えない部分)」がない最強の網膜

  • 人間や魚の場合: 眼球の内側(網膜)から脳へ視神経が束になって出ています。 そのため、その神経の束がある部分だけは「盲点(マリオット盲点)」となり、像を結ぶことができません。
  • イカ(アオリイカ)の場合: 視神経は網膜の「外側(裏側)」から脳に繋がっています。 そのため、網膜上に「盲点」が一切存在しません

視野に欠ける部分がなく、すべてを見通せる、非常に効率的で高性能な構造を持っているのです。


2. なぜイカの眼はあんなに「大きい」のか?

イカの眼が体に比して非常に大きい理由は、彼らが生きる環境と、その生態に直結しています。

理由①:わずかな光も逃さない「集光力」

アオリイカは、日中だけでなく、光量の少ない朝夕のマズメ時や、夜間にも活発に捕食活動を行います。

また、深場(ディープエリア)に落ちることもあります。

暗い場所で獲物を見つけるためには、わずかな光でも効率よく集める必要があります。

*大きな眼、大きなレンズ、そして大きく開く瞳孔は、光を最大限に取り込むための「集光レンズ」**として機能しています。

理由②:ハンターと獲物、両方の側面

  • ハンターとして: イカは動く獲物を目で追って捕食する「視覚ハンター」です。 大きな眼は解像度を高め、ベイトの動きを正確に捉えるために発達しました。
  • 獲物(ベイト)として: 同時に、イカはイルカ、マグロ、サメ、大型の根魚など、多くのフィッシュイーターにとって格好の獲物です。 天敵をいち早く察知し、逃げるためにも、広範囲を見渡せる大きな眼が必要だったのです。

3. 【重要】イカは「色盲」? 釣り人が本当に知るべき視覚

ここが釣り人にとって最も重要なポイントかもしれません。 これまでの研究で、アオリイカを含む多くのイカは、色を識別するための細胞(錐体細胞)が、ほぼ1種類しか持たないことが分かっています。

私たち人間は3種類(赤・緑・青)、多くの魚も2〜3種類持っています。

これが1種類しかいないということは、イカの世界は**「白黒(モノクローム)」に見えている**可能性が非常に高いのです。

「色盲」なのに、なぜエギの色で釣果が変わる?

「イカが色盲なら、エギのピンクやオレンジ、オリーブなんて関係ないじゃないか!」

そう思いますよね。

しかし、イカは私たちが持たない、ある「特殊能力」を持っています。

それは**「偏光(へんこう)」を見る能力**です。


4. イカの切り札「偏光視」がエギングの鍵

「偏光」とは、光の特定の振動方向の波のことです。

(説明が難しいですが、水面のギラギラした反射光などが偏光の一種です)。

人間やほとんどの魚はこの偏光をうまく識別できませんが、イカは偏光をハッキリと識別できます

実は、小魚のウロコや、エビ・カニの甲羅は、光を反射して独特の「偏光」を発します。

イカは色ではなく、この**「偏光のパターン」を見て、獲物かどうかを判断している**と考えられています。

つまり、私たちがエギを選ぶとき…

  • エギの「色(カラー)」: イカにとっては「色」ではなく**「明るさ・暗さ(コントラスト)」**として見えています。 (例:ピンクは「明るいグレー」、濃い紫は「暗いグレー」など)。 背景の海の色に対して、どれだけシルエットがハッキリ見えるかが重要です。
  • 下地テープ(金、赤、マーブルなど): これこそが「偏光」に影響します。 テープの種類によって光の反射の仕方や「偏光パターン」が変わり、これがイカの眼には「獲物(ベイト)がギラっと光る感じ」としてアピールしているのです。
  • ケイムラ(紫外線発光)や夜光(グロー): これらも「色」ではなく「光量(明るさ)」として、イカに強くアピールします。

5. まとめ:アオリイカの眼は「最強のモノクロ偏光カメラ」

最後に、アオリイカの眼の秘密をまとめます。

  1. イカ類は共通して高性能: アオリイカの眼は他のイカと似た高性能な「カメラ眼」です。
  2. 魚との違い: ピント調節が「レンズの前後移動」であり、視界に「盲点」がありません。
  3. 大きい理由: 暗い場所でも光を集め、獲物や天敵をいち早く見つけるためです。
  4. W型の瞳孔: 明るい場所で光量を調節(絞る)ための形状と考えられています。(特に水平方向の光を効率よくカットするため、など諸説あります)。
  5. 視覚の秘密: 「色盲(モノクロ)」だが、人間には見えない**「偏光」を識別する特殊能力**を持っています。

釣り人としては、エギの「色そのもの」にこだわるだけでなく、

  • 背景(潮色)との「コントラスト(明暗)」
  • 下地テープによる「光の反射(偏光)」
  • ケイムラやグローによる「光量(アピール力)」

これらを意識してエギをローテーションさせることが、アオリイカの「最強の眼」を攻略する鍵となります。

 

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