■ 魚の味は「値段」で決まるのか?
・「高い魚は美味しいに決まってる」
・「安い魚はどうせまずい」
こんな“思い込み”をしていませんか?
しかし、これは半分正解で、半分誤解です。
魚屋や漁師、料理人など、魚のプロたちはこう語ります。
「価格=味ではない。むしろ“知ってる人だけが得をする魚”が多い」
■ 価格が高くなる理由とは?
まずは、高級魚が高い理由を知っておきましょう。
① 漁獲量が少ない
・クエ、アラ、ノドグロ、キンキなどは自然界に個体数が少なく、漁獲量が限られる。
・希少性が価格を押し上げます。
② 保存・輸送が難しい
・アオリイカやウニなどは、活きたまま流通させる手間がかかるため価格が上昇。
③ 需要が集中する
・マグロ、カニ、タイのように贈答用・祝い事などで需要が集中すると価格が高騰します。
つまり「高い=美味い」というより「高くても売れる魚」なのです。
■ 安くて旨い魚はこんなにある!
魚屋の世界では、“価格以上の味”を持つ魚が多数存在します。
◎ 例:サバ(鯖)
・秋冬の寒サバは、トロにも匹敵する脂のノリ。
・刺身や焼き物、〆サバとしても絶品。
◎ 例:イワシ(鰯)
・傷みやすいため流通が難しいが、鮮度が良ければ甘みのある最高の魚。
・DHA・EPAも豊富で健康にも良い。
◎ 例:メジナ、アイゴ、カワハギ
・地域によっては評価が低いが、調理法によって化ける魚たち。
・釣り人の間では人気が高く、知る人ぞ知る“通の味”。
■ 魚の価格に影響する意外な要素
実は、魚の値段は味とは直接関係しない要素に左右されています。
要因 | 影響内容 |
---|---|
魚種のイメージ | 「ブランド魚」は価格が上がる |
地域差 | 地元では安い魚が都市部で高級魚扱い |
時期 | 季節や漁のタイミングで大きく変動 |
鮮度管理 | 手間をかけた処理で価格上昇(血抜き・神経締めなど) |
■ 魚屋が教える「お値打ち魚の選び方」
魚の目利きをすれば、安くて美味しい魚を見抜くことが可能です。
● 鮮度をチェックするポイント
・目が澄んでいて黒目がくっきり
・エラが鮮やかな赤
・身にハリがあり、ぬめりが少ない
● 知名度に惑わされない
・無名でも脂が乗っている魚はたくさんある
・地魚(じざかな)は安くて美味しい宝の山
■ まとめ|“価格”ではなく“魚を見る目”を育てよう
・高い魚には高いなりの理由があるけれど、「味=価格」ではない。
・むしろ安魚にこそ、知る人ぞ知る“本物の旨さ”が隠れていることが多い。
・魚の価値を判断するには、見た目・季節・処理方法・産地など、“魚を見る目”が大切。
安くて旨い魚を見つけることが、魚食の最大の楽しみかもしれません。