魚を調理するときに、真ん中に「赤い筋のような部分」があるのを見たことがある方も多いでしょう。
この部分に沿って存在するのが**血合い骨(ちあいぼね)**です。
「中骨とは違うの?」
「なぜこんな場所に骨があるの?」
「取らなくても大丈夫?」
今回は魚の血合い骨について、構造・役割・取り除き方まで詳しく解説します。
魚をもっと美味しく、安全に食べるための知識として、ぜひお役立てください。
血合い骨とは何か?
① 位置
血合い骨は魚の体の中央部、血合い(赤身部分)の真ん中に並んで存在します。
背骨(脊椎骨)から左右に枝分かれして伸びる肋骨の一部が、ちょうど血合いの真ん中に集まっているのが特徴です。
② 構造
・中心の背骨から出た「神経棘・血管棘」という突起が血合い骨になります。
・比較的細く硬いが、種類やサイズによって太さが違う。
・細かい枝骨(小骨)も含まれている。
③ 血合い部分にある理由
・血合いは魚が泳ぐ筋肉の中心部(赤筋)
・ここは酸素消費が多く、血流が豊富なため赤い
・筋肉をしっかり支えるために骨が集中している
血合い骨と中骨の違い
項目 | 血合い骨 | 中骨(背骨) |
---|---|---|
位置 | 血合い筋の中心部 | 背中の中心軸 |
数 | 数十本(種類による) | 一体型(数十個の椎骨が連なる) |
役割 | 筋肉支持・血管保護 | 体全体の支持 |
太さ | 細め〜中程度 | 比較的太い |
取り方 | 包丁・骨抜き | 三枚おろし時に外れる |
血合い骨が目立つ魚種
特に以下の魚で血合い骨ははっきり確認できます。
・アジ
・サバ
・イワシ
・サンマ
・タイ
・ブリ
・カツオ
・マグロ
脂の多い青魚・回遊魚系に多く見られます。
白身魚でも、タイやヒラメの大型個体ではやや目立つことがあります。
血合い骨は取らなくても食べられる?
取らずに食べられるケース
・刺身用に薄く引いた場合
・小骨が細い小型魚(イワシ・シシャモなど)
・唐揚げ・骨せんべい調理など
取ったほうがよいケース
・アジの刺身(ゼイゴ取りと合わせて)
・大型魚の切り身
・寿司ネタや高級料理
・子供や高齢者向けの料理
血合い骨は「刺さりやすい小骨」の代表格です。
食感を良くするため、包丁や骨抜きで取り除くことが多いのです。
血合い骨の取り方(プロの技)
① 三枚おろし後の処理
・身の中央に沿って血合い骨が並ぶ
・骨のラインを中心にV字カットで取り除く
・アジ・サバはこの方法が一般的
② 骨抜き使用法
・サク取り後の刺身用切り身で活用
・血合い骨を1本ずつ丁寧に抜く
・ブリ・カンパチ・マグロなどで多用
③ 大型魚の切り身処理
・厚みのある切り身は事前に骨切り処理
・骨切り包丁を使うプロも多数
血合い骨と鮮度の関係
実は血合い部分は酸化しやすく、鮮度のバロメーターにもなります。
・新鮮:鮮やかな赤色
・鮮度落ち:茶褐色〜黒ずみ
血合い骨が黒く変色している場合は、やや鮮度が落ちている可能性があります。
調理前に確認しておくと安全です。
血合い骨の役割まとめ
・筋肉を支えるサブ骨格
・血管・神経を守る
・体の安定性を高める
・運動能力と耐久性を向上させる
血合い骨はただの邪魔な小骨ではなく、魚の「高性能な筋肉支え構造」の一部なのです。
まとめ
・血合い骨は筋肉内部の中心部にある小骨の集まり
・中骨(背骨)とは別の部位
・種類によって太さや本数が異なる
・食感改善のため取り除くことが多い
・包丁・骨抜きでの処理がコツ
・鮮度管理でも血合い部分は重要な目安
血合い骨を理解すると、魚の処理や料理の腕もワンランク上がります。
釣り人も料理人も、ぜひ血合い骨の知識を活用してみてください!