サバ缶の加熱処理による成分の変化は?
サバ缶は、一時期 「健康に良い食品」としてブーム になりましたが、缶詰の加熱処理によって
栄養成分がどの程度変化するのか?
について詳しく解説します。
① 缶詰加工の流れ
サバ缶は製造過程で 高温加熱(約120℃で30分〜1時間) され、長期間保存できるように処理されます。
この過程で、 栄養素が分解・変質するもの もあれば、 むしろ吸収しやすくなる栄養素 もあります。
② 加熱による栄養素の変化
| 栄養素 | 変化の有無 | 影響 |
|---|---|---|
| DHA・EPA(オメガ3脂肪酸) | 減少するが比較的残る | 一部酸化するが、水煮缶ならスープに溶け出すため摂取可能 |
| タンパク質 | ほぼ変化なし | 多少変性するが、栄養価は維持 |
| ビタミンB群(B1・B2・B6・B12) | 水溶性ビタミンは減少 | 煮汁に流れ出るため、スープごと食べるのが重要 |
| ビタミンD | 増加する場合もある | 熱に強く、身に残りやすい |
| カルシウム | 大幅に増加 | 骨まで柔らかくなり、丸ごと摂取可能 |
| 鉄・亜鉛 | 変化なし | ミネラル類は基本的に熱で失われない |
③ 生サバとサバ缶の栄養価比較(100gあたり)
| 栄養素 | 生サバ | サバ缶(水煮) | 変化 |
|---|---|---|---|
| DHA | 970mg | 870mg | わずかに減少(スープに流れ出る) |
| EPA | 590mg | 520mg | わずかに減少 |
| タンパク質 | 20.7g | 20.2g | ほぼ変わらない |
| ビタミンB1 | 0.16mg | 0.03mg | 大幅減少 |
| ビタミンB6 | 0.5mg | 0.36mg | 減少 |
| ビタミンB12 | 9.4μg | 9.6μg | ほぼ変わらない |
| ビタミンD | 7.6μg | 11.0μg | 増加 |
| カルシウム | 6mg | 220mg | 大幅増加(骨ごと食べるため) |
👉 サバ缶は生のサバよりもカルシウム・ビタミンDが多く、DHA・EPAはスープごと摂取すれば
損失を防げる!
④ 加熱によって良くなる点・悪くなる点
✅ 良くなる点
- カルシウムが大幅に増える(骨まで食べられる)
- ビタミンDが増える(骨や免疫に良い)
- 保存が効くため、手軽に栄養を摂れる
❌ 悪くなる点
- 水溶性ビタミン(B1・B6)が減る(煮汁ごと摂れば補える)
- 酸化リスクがある(長期間保存すると脂質が酸化しやすい)
⑤ 結論:サバ缶は生サバと成分が変わる?
✅ 「一部の栄養素は減少するが、逆に増える栄養素もある」
✅ 「骨ごと食べられるため、カルシウムは生サバより圧倒的に多い」
✅ 「DHA・EPAの損失を防ぐため、煮汁ごと摂るのがベスト」
✅ 「ビタミンB群は減少するため、他の食品(野菜や納豆など)で補うのが理想」
結論として、 サバ缶は生サバとは成分の一部が変わるが、健康メリットが増える部分も多いので
優れた食品!


