「旬」という言葉は、一般的にその食材が最も美味しく食べられる時期を指しますが、
魚の場合は「脂がのっている時期」と「たくさん捕れる時期」の両方の側面があるため、
少し複雑です。
従来の考え方：脂がのっている時期が旬
- 栄養価が高い: 脂が乗るということは、魚が栄養を蓄えている時期であり、DHAやEPAなどの栄養価が高いことが期待できます。
- 味が濃厚: 脂によって、魚の味が濃厚になり、旨味が凝縮されます。
最近の考え方：たくさん捕れる時期も旬
- 生態学的視点: 魚の産卵期や回遊ルートなどを考慮し、その魚が最も多く獲れる時期を旬と捉える考え方です。
- 経済的な側面: 漁獲量が多い時期は、価格が安定し、より多くの人に楽しんでもらえるというメリットがあります。
- 季節感: 旬の魚を食べることで、季節の移り変わりを感じることができます。
まとめ
「魚の旬」は、一概にどちらかとは言い切れません。
- 脂が乗っている時期: 味の濃厚さや栄養価を求める場合
- たくさん捕れる時期: 旬の魚をより手軽に楽しみたい場合
どちらの側面も考慮して、それぞれの魚種や個人の好みに合わせて旬を楽しむことが大切です。
例:
- カツオ: 春の初鰹は脂が少なくさっぱりとした味わい、秋の戻り鰹は脂が乗って濃厚な味わい。
- 鮭: 秋鮭は産卵のため川を遡上し、脂が乗って栄養価が高い。
このように、同じ魚でも季節によって味わいが大きく変わるため、旬の魚を食べることは、
食の楽しみを深めることにつながります。
