魚を活〆した際にエラを切り取り、海水につけることで血抜きを行うことは可能です。
ただし、この方法が効果的に機能するためには、いくつかの注意点があります。
1. エラ切り+海水血抜きの仕組み
- エラ切りは、魚の主要な動脈(エラ周辺)を切断して血液を流し出す方法です。
- 魚を海水につけると、魚体内の血液が圧力差によって海水中に排出されやすくなります。
- 海水は浸透圧が魚の体液に近いため、身が乾燥せず血抜きを進めるのに適しています。
2. 血抜きがうまくいく条件
(1) 魚がまだ生きているか、即締めした直後
- 魚の心臓が動いている場合、血流によって血液が自然に排出されます。
- 心臓が止まった後は、血液の流れが止まるため、海水につけるだけでは不十分です。
(2) 海水に浸す時間
- 通常、数分から10分程度浸けることで血抜きが完了します。
- あまり長時間浸けると、魚の体温が海水温に影響されて鮮度が落ちる可能性があります。
(3) 海水の清潔さ
- 海水が汚れている場合、細菌が魚体に侵入し、鮮度を損なう可能性があります。
- 可能であれば、清潔な海水(または氷を入れた冷たい海水)を使用するのが望ましいです。
3. 血抜きの具体的な手順
- 活〆(脳締め)をする
- 魚を締めて脳を破壊し、即座に神経と運動を止めます。
- エラを切る
- 両側のエラを包丁やハサミで切り、動脈を切断します。
- エラを完全に切り取るのも効果的です。
- 海水に浸ける
- 魚の頭を海水につけ、重力で血が流れるようにします。
- 必要に応じて、尾を切り落としてさらに血抜きを促すこともあります。
- 海水を冷却
- 氷を加えた冷たい海水を使うと、鮮度が維持されやすくなります。
- 血が完全に抜けたら処理
- 身が赤くならず、透明感が出てくれば血抜き完了です。
- その後、冷蔵や冷凍保存を適切に行います。
4. 注意点
- 完全な血抜きには限界がある
海水に浸けるだけでは、筋肉の中の毛細血管内に残った血液を完全に抜くことは難しい場合があります。より徹底するには、「神経締め」や「エラ切り+尾切り+流水処理」の組み合わせが効果的です。 - 海水温に注意
暖かい海水では血液の流れが良くなる一方、魚の鮮度が落ちやすくなります。氷水を用いると鮮度維持につながります。 - エラだけでなく尾を切るとさらに効果的
エラだけでなく尾を切り落とすことで、血液の出口を増やし、より効果的に血抜きできます。
5. 結論
魚の活〆時にエラを切り、海水につけることで血抜きを行うことは有効です。
ただし、以下の点を守るとさらに効果的です:
- 心臓が動いている状態で行う。
- 冷たい海水を使用する。
- 必要であれば尾も切り落とす。
この方法は特にブリやサバなど血液量が多い魚に適しており、鮮度や味を大きく向上させる
効果があります!


