魚は明るい場所を好むものと、暗い場所を好む者に分かれる。これは何を基準としている?

魚が明るい場所を好むか、暗い場所を好むかは、いくつかの要因によって決まります。

これらの要因を基準として、魚は大きく「昼行性」と「夜行性」に分けられます。

さらに、水深や生息環境によっても好む明るさが異なります。以下、詳しくご説明いたします。

1. 目の構造と視力:

  • 網膜の構造: 魚の網膜には、光を感じる視細胞である錐体(すいたい)と桿体(かんたい)があります。錐体は明るい場所で色や形を識別するのに役立ち、桿体は暗い場所で明暗を識別するのに役立ちます。昼行性の魚は錐体が発達しており、夜行性の魚は桿体が発達している傾向があります。
  • 目の位置と大きさ: 目の位置や大きさも、魚がどの程度の明るさを好むかに関係します。例えば、目が大きく上向きについている魚は、上から差し込む光を捉えやすく、明るい場所を好む傾向があります。逆に、目が小さく横向きについている魚は、暗い場所でも周囲の状況を把握しやすいです。

2. 生息環境:

  • 水深: 水深が深くなるにつれて、太陽光が届きにくくなり、暗くなります。浅い場所に生息する魚は明るい場所を好み、深い場所に生息する魚は暗い場所を好む傾向があります。
  • 水質: 水が濁っている場所では、光が通りにくいため、暗い環境を好む魚が生息しています。逆に、透明度の高い水域では、明るい場所を好む魚が多く見られます。
  • 隠れ場所の有無: 岩陰や水草などの隠れ場所が多い環境では、暗い場所を好む魚が身を隠しながら生活しています。

3. 食性:

  • 餌となる生物の活動時間: 餌となる生物が昼間に活動する種類であれば、それを捕食する魚も昼行性になります。逆に、夜間に活動する生物を餌とする魚は夜行性になります。

4. 捕食者からの回避:

  • 明るい場所では、捕食者に見つかりやすいため、暗い場所を好む魚もいます。逆に、暗い場所では、獲物を見つけにくいため、明るい場所を好む捕食者もいます。

具体的な例:

  • 昼行性の魚: イワシ、アジ、サヨリ、タイなど。これらの魚は、明るい場所で活発に活動し、視覚を使って餌を探します。
  • 夜行性の魚: アナゴ、ウナギ、メバル、タチウオなど。これらの魚は、暗い場所で活動し、触覚や嗅覚などを使って餌を探します。
  • 深海魚: チョウチンアンコウ、ミツクリザメなど。これらの魚は、太陽光がほとんど届かない深海に生息しており、特殊な発光器官を持つものもいます。

釣りにおける応用:

釣りをする際、対象魚が昼行性か夜行性かを考慮することは非常に重要です。

  • 時間帯: 昼行性の魚を狙う場合は、日中の明るい時間帯に釣るのが効果的です。夜行性の魚を狙う場合は、夜間や薄暗い時間帯に釣るのが効果的です。
  • 場所: 昼行性の魚は、比較的浅い場所や明るい場所に集まりやすいです。夜行性の魚は、岩陰や水底などの暗い場所に潜んでいることが多いです。
  • 仕掛け: 夜釣りでは、集魚灯などを使って海面を照らすことで、プランクトンや小魚を集め、それを目当てに集まる魚を狙う方法もあります。

このように、魚が明るい場所を好むか暗い場所を好むかは、様々な要因によって決まります。

これらの要因を理解することで、魚の生態や行動についてより深く理解することができ、

釣りなどのレジャーにも役立てることができます。

タイトルとURLをコピーしました