チヌ(クロダイ)とヘダイは似ている部分もありますが、いくつかの特徴的な違いがあり、
見分けるポイントも明確です。
それぞれの違いと見分け方を以下にまとめます。
1. 見た目の違い
チヌ(クロダイ)
- 体色: 銀色と黒っぽい色が混在。特に背中や上半分が黒ずんでいる。
- 体型: やや楕円形で、高い背中を持つ。体高が目立つ。
- 模様: はっきりとした横縞模様はなく、全体的に無地の銀黒色。
ヘダイ
- 体色: 全体的に美しい銀色で統一されており、黒っぽさがない。
- 体型: チヌよりも丸みを帯びた形で、体高はそれほど高くない。
- 模様: 側面に薄い横縞模様があり、特に若い個体ではこの縞模様が目立つ。
2. 口の形状と歯
チヌ(クロダイ)
- 口の形: 口がやや大きく、下顎がやや突き出ていることが多い。
- 歯: 奥歯は臼歯状で硬いエサ(カニや貝類)を砕ける構造。
ヘダイ
- 口の形: 口は比較的小さく、丸みを帯びている。
- 歯: 細かい歯が並んでおり、砂地の小型生物(ゴカイや甲殻類)を食べるのに適している。
3. 生息環境と好む場所
チヌ(クロダイ)
- 環境: 岩場や藻場、堤防周りなど多様な環境に適応する。
- 塩分濃度: 河口や汽水域にも入るため、塩分濃度が低い場所にも強い。
ヘダイ
- 環境: 主に砂地や砂泥底を好む。岩場にはあまり近づかない。
- 塩分濃度: 完全な海水域を好む傾向があり、河口や汽水域では見られにくい。
4. 食性と釣り方
チヌ(クロダイ)
- 食性: 雑食性で、多様なエサ(カニ、貝類、エビ、ゴカイ、さらにはトウモロコシや練りエサなど)を食べる。
- 釣り方: フカセ釣りや紀州釣り、落とし込み釣りが人気。
ヘダイ
- 食性: 主にゴカイや小型の甲殻類など、砂泥底の生物を捕食。
- 釣り方: 投げ釣りやちょい投げ釣りでゴカイを使うとよく釣れる。
5. その他の特徴
チヌ(クロダイ)
- 味: 季節や環境によってはクセがあるが、刺身や塩焼きで美味しい。
- 時期: 初夏~秋にかけて活性が高まり釣果が増える。
ヘダイ
- 味: 非常にクセが少なく、煮付けや塩焼きで人気がある。
- 時期: 春から夏にかけて群れで接岸しやすい。
まとめ:見分け方のポイント
- 体色: チヌは銀色と黒色が混じり、ヘダイは純粋な銀色。
- 模様: チヌは無地、ヘダイは横縞模様あり。
- 口の形: チヌは大きく尖った口、ヘダイは小さく丸みを帯びた口。
- 生息地: チヌは岩場や汽水域、ヘダイは砂地や海水域。
これらのポイントを押さえておくと、フィールドでの判別がスムーズになるはずです!


