ボラやチヌ(クロダイ)の匂いに関して、匂いの有無や強さは以下のような複数の要因が関与
していると考えられます。
1. 生息地域と水質の影響
- 富栄養化した水域: 匂いが強くなる傾向があります。
河口や内湾など、水質が富栄養化している地域では、プランクトンや有機物が多く、これを餌にするボラやチヌに独特の匂いがつきやすくなります。
特に汽水域のボラやチヌは、この傾向が顕著です。 - きれいな水質の地域: 匂いが弱くなる傾向があります。
外洋に近い場所や、透明度の高い水域で生息している個体は、匂いが少ないことが多いです。
2. 餌の種類
ボラやチヌの主な餌は、生息域によって変わり、これが体臭や味に影響します。
- 富栄養化した水域: 底質に溜まった有機物(デトリタス)や藻類を多く摂取するため、特有の「泥臭さ」が生じることがあります。
- きれいな水質の地域: 主にカニや小魚などを餌にしている場合、匂いが抑えられることがあります。
3. 水温と季節の影響
- 高水温期では水中のプランクトンや藻類が活発に増え、匂いの原因となる有機物が増えるため、魚体に匂いがつきやすくなります。
- 冬季や水温が低い時期は、匂いが比較的少なくなる傾向があります。
4. 個体差
同じ地域でも、匂いの強さには個体差があります。これは魚の代謝や、体内に取り込まれる餌成分の違いによるものと考えられます。
結論
ボラやチヌの匂いは、生息地域や水質、餌の種類、季節、水温など、複数の要因が複雑に絡み
合って決まります。
一般的に、富栄養化した汽水域や泥質底の地域で捕れる個体ほど匂いが強くなる傾向があります。
一方で、外洋に近い透明度の高い水域で捕れる個体は匂いが少ないため、これらの魚を狙う際には
釣り場の選定が重要です。
もし特定の地域での匂いが気になる場合、その地域の水質や餌環境を調べるとより明確な答えが
得られるでしょう。


