魚の数え方は、大きさ、生きているか死んでいるか、魚体(形状や状態)によって異なります。
詳しくご説明いたします。
1. 大きさによる違い
一般的に、魚の大きさが数え方に直接影響することは少ないですが、例外もあります。
- 稚魚や小魚: 大量にいる稚魚や小魚を数える場合、「群(むれ)」や「腹(はら)」といった単位が使われることがあります。「イワシ一腹」のように使います。これは、個々の魚を数えるのではなく、集団として捉えているためです。
- 大型魚: ブリやマグロなどの大型魚は、その大きさと価値から「本」で数えられることが多いです。これは、個体としての大きさを強調する意味合いがあります。
2. 生きているか死んでいるかによる違い
これは数え方の違いに大きく影響します。
- 生きている魚: 基本的に「匹(ひき)」で数えます。水族館の魚や、生け簀で泳いでいる魚などが該当します。
- 死んでいる魚: 「匹」で数えることもありますが、商品として扱われる場合は「尾(び)」で数えることが多くなります。また、調理されたり加工されたりすると、別の数え方になります。
3. 魚体(形状や状態)による違い
これが最も数え方のバリエーションを生む要因です。
- 細長い魚: サンマ、タチウオ、ウナギなどは「本(ほん)」で数えます。これは、その形状が棒状であることに由来します。
- 平たい魚: ヒラメ、カレイなどは「枚(まい)」で数えます。これは、その形状が平たいことに由来します。
- 調理された魚:
- 開き: アジの開きなどは「枚」で数えます。
- 干物: イワシの干物なども「枚」で数えます。
- 刺身: マグロの刺身などは「柵(さく)」で数えます。さらに小さく切ったものは「切れ(きれ)」で数えます。
- 目刺し: イワシなどを串に刺して干したものは「連(れん)」で数えます。
以下に表でまとめます。
| 状態 | 数え方 | 例 |
|---|---|---|
| 生きている魚 | 匹 | 金魚一匹、水槽にメダカが十匹 |
| 水揚げされた魚(商品) | 尾 | タイ一尾、ブリ二尾 |
| 細長い魚 | 本 | サンマ一本、タチウオ三本 |
| 平たい魚 | 枚 | ヒラメ一枚、カレイ二枚 |
| 稚魚・小魚の群れ | 群、腹 | イワシ一腹、稚鮎の群れ |
| 調理された魚(開き、干物) | 枚 | アジの開き一枚、イワシの干物二枚 |
| 調理された魚(刺身の塊) | 柵 | マグロ一柵 |
| 調理された魚(刺身の切り身) | 切れ | マグロの刺身三切れ |
| 調理された魚(目刺し) | 連 | 目刺し一連 |
| 大型魚(特に商品として扱う場合) | 本 | ブリ一本、マグロ一本 |
このように、魚の数え方は非常に多様です。状況に応じて適切な数え方を使うことで、より正確に
情報を伝えることができます。
日常会話では「匹」を使うことが最も多いですが、魚の種類や状態を意識することで、日本語の
豊かな表現を楽しむことができるでしょう。


