この現象を簡単に説明すると、以下のような仕組みです:
1. 生きている伊勢海老の殻の色
生きている伊勢海老の殻にはアスタキサンチンが含まれていますが、この色素はタンパク質と結合
しているため、色が変化して黒や褐色っぽく見えます。
この状態ではアスタキサンチンの赤色が隠されています。
2. ボイル(加熱)するときの変化
ボイルすると、以下の変化が起こります:
- タンパク質の変性:熱によってタンパク質が変性し、アスタキサンチンとの結合が分解されます。
- アスタキサンチンの解放:アスタキサンチンが単独の状態になると、もともと持っている赤色がはっきり現れるようになります。
3. 赤色の理由
アスタキサンチンは、特定の波長の光を吸収して赤い光を反射するため、私たちの目には鮮やかな赤色として映ります。
この色素は伊勢海老だけでなく、エビやカニの殻でも同様の変化を起こします。
まとめ
伊勢海老がボイルされると赤くなるのは、アスタキサンチンという赤い色素が、加熱によって
タンパク質から解放されるからです。
この現象は他の甲殻類でも同様で、熱による美しい赤色が特徴的です。