春の南紀。
石鯛シーズンが静かに動き出す。
まだ海は完全な初夏ではない。
ウニ全開の世界ではない。
だからこそ、この時期は“貝類”が主役になる。
サルボウ。
サザエ。
アワビ。
ながれこ(トコブシ)。
では、それぞれ何が違うのか。
そして水温が上がるにつれて順位はどう変わるのか。
南紀基準で、現場目線で解説する。
春の石鯛と水温の関係
石鯛は水温に敏感な魚だ。
おおよその目安はこうなる。
・14〜16℃ = まだ動きは鈍い
・17〜18℃ = 活性が上向く
・19〜20℃以上 = 一気に食いが立つ
春はこの境目の季節。
だからエサの選択が釣果を分ける。
サルボウ貝の特徴
春の代表格。
・殻が硬くエサ持ちが良い
・匂いが強く遠投向き
・低水温でも実績がある
特に15〜17℃帯では安定感が抜群。
石鯛がまだ本調子でない時に効く。
弱点は、活性が上がるとアタリがやや小さくなること。
「冬の延長線上」の水温ではトップクラス。
サザエの特徴
パワー系。
・殻が硬く外道に強い
・大型狙い向き
・食い込めば一発が大きい
水温17〜19℃あたりで存在感が増す。
石鯛が“噛みに来る”状態になると強い。
ただし低水温では食い込みが浅く、乗りにくいこともある。
アワビの特徴
高級だが、理にかなったエサ。
・身が厚くアピール力大
・大型個体が好む
・潮が動く場面で強い
18℃を超えた頃から威力を発揮しやすい。
水温が上がると一気に優位性が出る。
春後半の大型狙いでは主役級。
ながれこ(トコブシ)の特徴
実は春の隠れた主役。
・殻が薄く食い込みが良い
・数釣り向き
・中型まで安定
16〜18℃帯で扱いやすい。
食い渋りの時に活躍する。
大型一本勝負というより、確実に拾うエサ。
水温別エサ順位(南紀基準)
目安としてこう考える。
14〜16℃
1位 サルボウ
2位 ながれこ
3位 サザエ
4位 アワビ
17〜18℃
1位 サルボウ
2位 サザエ
3位 ながれこ
4位 アワビ
19℃以上
1位 サザエ
2位 アワビ
3位 サルボウ
4位 ながれこ
そして20℃を超える頃。
ウニが台頭してくる。
春は“貝からウニへ”の移行期。
なぜ水温で順位が変わるのか
低水温では石鯛は慎重になる。
柔らかく匂いが強い貝に反応しやすい。
水温が上がると噛む力も活性も上がる。
硬いエサでもガツンと来る。
つまり。
水温が低い=食い込み重視。
水温が高い=パワーと存在感重視。
この違いが順位を変える。
南紀の春は特別
黒潮の接岸状況で水温は大きく変わる。
同じ3月でも、
15℃の年もあれば18℃の年もある。
だからカレンダーではなく、水温を見る。
それが南紀石鯛の基本だ。
まとめ
春の石鯛釣りは貝が軸。
・低水温ならサルボウ中心
・水温上昇でサザエが浮上
・18℃超えでアワビも本領発揮
・ながれこは安定型
そして最終的にウニへ移行する。
春は「今どの水温帯にいるか」でエサを変える。
これができれば、
春の一枚は近づく。
南紀の石鯛は正直だ。
水温とエサが合えば、ちゃんと応えてくれる。

