南紀のアジは旨い。
これはもう、ほぼ共通認識です。
では、サバはどうか。
正直に言います。
南紀のサバ、条件が揃えば全国トップクラスです。
ただし、アジとは評価軸が違う。
そこを勘違いすると真価を見誤ります。
今日は黒潮海域のサバの実力を、科学と現場感覚で解説します。
なぜ南紀のアジは旨いと言われるのか
まず前提。
アジ
南紀のアジは、
・潮流が速い
・ベイトが豊富
・低水温期でも黒潮影響あり
この条件で筋肉密度が高く、脂の質が安定しています。
ではサバは?
南紀のサバは何が違うのか
サバ
サバは回遊魚です。
回遊魚は運動量が命。
黒潮域のサバは、
・筋肉繊維が締まる
・脂がサラッとしている
・生臭さが出にくい
特に秋〜冬の個体は別格。
脂の質が違う理由
南紀沿岸は
串本
白浜
みなべ
黒潮の分流が入り、プランクトン密度が高い。
その結果、
・EPA
・DHA
・不飽和脂肪酸比率
が高い傾向があります。
つまり脂が「軽い」。
北の寒サバのような重厚感とは違う。
南紀サバは“キレ型”。
数値で見る脂質含有量
一般的な真サバ脂質量は10〜20%。
南紀の良型個体は
15〜22%に達するケースもある
しかも脂の融点が低い。
口溶けが早い。
これが「旨い」の正体です。
ただし問題もある
サバはアジより劣化が早い。
ヒスタミン生成が速い。
血合いが強い。
真水処理で一気に味が落ちる。
だからこそ差が出る。
処理が甘いと台無し。
処理が完璧なら極上。
刺身で食べられるレベルか?
結論。
釣りたて+即締め+海水氷保管なら可能。
特に小〜中型は脂と身質のバランスが良い。
大型は脂は乗るが、個体差が大きい。
南紀アジと南紀サバの違い
アジは
・安定型
・通年旨い
・万人向け
サバは
・爆発力型
・当たり外れあり
・扱える人向け
評価の安定性ではアジ。
ポテンシャルの最大値ではサバ。
なぜ全国的に話題にならないのか
理由はシンプル。
サバは鮮度管理が難しい。
流通に向かない。
だから地元消費が中心。
つまり、
現地で食べた人だけが知っている味。
結論
南紀のサバはどうか。
条件が揃えば、全国トップクラス。
黒潮域特有の
・締まった身
・軽く上質な脂
・雑味の少なさ
ただし。
処理を誤れば普通以下。
南紀の魚は、素材が良い分、腕が問われる。
要約
・南紀サバは黒潮由来のキレ脂
・脂質15〜22%の個体も存在
・最大値は非常に高い
・鮮度管理で全て決まる
南紀のアジが安定王者なら、
南紀のサバは“爆発力の怪物”。
扱える釣り人だけが、その真価を知る。

