2月は年間で最も海水温が下がる時期ですが、南紀エリアにおいては**「黒潮の接岸」**がすべての鍵を握ります。
通常、沿岸部の水温は15℃を下回ると多くの魚の活性が著しく低下します。
しかし、黒潮の本流やそこから派生する「暖帯流」が差し込むことで、局所的に18℃前後の高水温が維持されることがあります。
寒気(放射冷却)と表面水温
強い寒波が到来すると、浅場や内湾の表面水温は一気に急降下します。
水温の低下は水の密度を高めるため、冷やされた表面の水が底へと沈み込む「ターンオーバー」に近い現象が発生し、魚の定位する層が不安定になります。
魚種別:状況とコンディションの相関
1. メジナ(グレ):寒グレ最盛期の戦略
2月のグレは産卵を控え、最も食味が良く体高が出る時期です。
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黒潮接岸時: 活性が上がり、浅い棚までエサを追います。
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寒波直撃時: 活性が一時的に止まりますが、水温が安定する深場や、シモリの奥にタイトに付くようになります。
2. アオリイカ:深場への移動と一発逆転
低水温を嫌うアオリイカは、水温が安定する水深15m以上の深場や、黒潮の影響を直接受ける潮通しの良い岬の先端に集中します。
この時期に釣れる個体は「レッドモンスター」と呼ばれる大型の回遊型が混じる確率が高まります。
3. 底物・根魚:安定を求めた動き
ハタ系やカサゴなどの根魚は、急激な水温変化を避けるため、温度変化の少ない深場の岩礁帯に身を寄せます。
代謝が落ちているため、目の前にエサを通す緻密なアプローチが求められます。
2月の釣りで勝つための「三原則」
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水温計の携行: わずか0.5℃の差が、魚の「やる気」を左右します。
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北西風のプロテクト: 南紀特有の強い北西風を背後から受けられる「風裏」のポイント選定が、人間の集中力維持にも不可欠です。
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スローテンポな誘い: 魚の代謝が落ちていることを前提に、コマセと仕掛けの同調時間を長く取る、あるいはエギのフォールを遅くする工夫が必要です。
まとめ:自然のバイオリズムを読む
2月の南紀は、一見すると厳しい季節ですが、黒潮という「熱源」がある限り、爆釣の可能性は常に秘められています。
寒気による水温低下を嘆くのではなく、その中でわずかに温かい潮が差し込むタイミングを見極めること。
それこそが、この時期の釣りの醍醐味であり、知的な遊びと言えるでしょう。
釣太郎では、毎日のリアルタイムな水温データと釣果情報を発信しています。
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