「今日は奮発して大トロいくか!」 「いや、通は黙って赤身でしょ。」
お寿司屋さんや居酒屋で、こんな会話をしたことはありませんか。
日本人が愛してやまない魚の王様、マグロ。
赤身、中トロ、大トロとランク分けされていますが、具体的に「ここからが中トロ」という線引きをご存知でしょうか。
実はこれ、単なる脂の量だけの話ではないんです。
今回は、知っているようで知らないマグロの部位の違いと、それぞれの魅力を最大限に引き出す食べ方について解説します。
これを読めば、次にマグロを食べる時、その味わいが3倍深くなるはずです。
全体の8割を占める「赤身(アカミ)」の実力
まずは基本の「赤身」です。
マグロの体の大部分、特に背中側の中心部を指します。
マグロと言えばトロがもてはやされがちですが、魚好きが最終的に帰ってくるのはこの赤身です。
特徴は、なんといっても「鉄分を含んだ酸味」と「濃厚な旨味」です。
脂が少ない分、マグロ本来の香りや、血液からくる力強いコクをダイレクトに感じられます。
特に「天身(てんみ)」と呼ばれる背骨周辺の赤身は、筋がなく、羊羹のようにねっとりとした食感で、極上の味わいです。
良いとこ取りの優等生「中トロ(チュウトロ)」
次に「中トロ」です。
これは、背中の皮に近い部分や、腹部の後ろ側など、赤身と脂身が混ざり合った部位を指します。
面白いのは、中トロには明確な数値基準がないことです。
「赤身のコク」と「トロの甘み」のバランスが良い部分を、職人の目利きで中トロと呼びます。
口に入れた瞬間は脂の甘みを感じ、後味として赤身の旨味が残る。
このグラデーションこそが中トロの真骨頂です。
どんな料理にも合いますが、やはり刺身が一番バランス良く味わえます。
希少価値の塊「大トロ(オオトロ)」
そして、高嶺の花「大トロ」です。
これは腹部の一番前、「腹カミ」と呼ばれる頭に近い部分に集中しています。
マグロ一匹から取れる量はごくわずか。
全体重の数パーセントしかありません。
特徴は、まるで霜降り和牛のようなサシ(脂)の入り方です。
口に入れると、噛む必要がないほど一瞬で溶け、濃厚な脂の甘みが爆発します。
ただ、脂が強烈なので、量はそれほど食べられません。
「最高の一切れ」をじっくり味わうのが、大人の流儀です。
境界線は「部位」と「脂の含有量」
結局、違いは何なのか。
ざっくり言うと、部位(背中か腹か)と、脂のグラデーションで決まります。
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背中側: 主に赤身。皮岸などが中トロ。
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腹側: 頭に近いほど大トロ、後ろに行くほど中トロ、赤身へと変化。
明確な「ここからここ!」という境界線はなく、その魚の脂の乗り具合を見て、プロが「これは中トロで出そう」と判断しているのが実情です。
部位別・おすすめの食べ方
せっかくの違い、食べ方でさらに美味しくいただきましょう。
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赤身: 「ヅケ(醤油漬け)」が最強です。 醤油の塩分が水分を抜き、ねっとりとした食感と旨味を凝縮させます。
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中トロ: そのまま「刺身」または「寿司」で。 バランスが良いので、わさびを多めに乗せても脂が辛味を消し、香りが引き立ちます。
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大トロ: 実は「炙り」がおすすめです。 サッと火を通すことで余分な脂が落ち、香ばしさが加わって、胃もたれせずに濃厚な旨味を楽しめます。
まとめ:自分の「好き」を見つけよう
値段で言えば大トロが一番ですが、美味しさの正解は人それぞれです。
さっぱりとした粋な赤身か。
とろける背徳の大トロか。
その日の気分や体調に合わせて選べるのが、マグロという魚の懐の深さです。
釣太郎では、釣り人の皆様が釣った大型魚(キハダマグロやビンチョウマグロなど)の氷もたっぷり用意しています。
もし南紀でマグロ類が釣れたら、鮮度を保って持ち帰り、ぜひ部位ごとの食べ比べに挑戦してみてください。
自分で釣った魚なら、赤身もトロも、世界一の味がするはずです。

