【衝撃の真実】なぜ「スズキ」は臭いと言われ、「ヒラスズキ」は極上の美味なのか?

「スズキは泥臭くて苦手」 そんな声をよく耳にします。

しかし、同じスズキ科でありながら「ヒラスズキ」は、市場関係者も唸る超高級魚として扱われています。

名前はそっくりなのに、なぜこれほどまでに味と価値が違うのか。

その理由は、彼らが住んでいる「世界」が全く異なるからでした。 両者の決定的な違いを徹底解説します。

1. そもそも「別の魚」である

まず大前提として、この2匹は生物学的に別の種類です。

  • マルスズキ(一般的なスズキ):内湾、河口、運河など、穏やかな場所を好む。

  • ヒラスズキ:外洋に面した荒磯、岩礁帯など、潮通しの良い場所を好む。

見た目は似ていますが、体高や尾びれの形、ウロコの細かさが異なります。

そして何より、生息環境の違いが「味の差」に直結しています。

2. 「水の違い」が「臭みの違い」

スズキが「不味い」と言われる最大の原因は、生息域の水質です。

一般的なスズキは、真水と海水が混ざる汽水域や、生活排水が流れ込む湾奥にも平気で入ってきます。

濁った水やヘドロのある底質に定着している個体は、その環境の「臭い」を身に取り込んでしまいます。

これが、いわゆる「川魚のような泥臭さ」や「ケミカルな臭い」の原因です。

一方で、ヒラスズキの住処は**「清浄な外洋」**です。

常に波が砕け散り、酸素が豊富な真っ白なサラシの中を泳いでいます。

泥や生活排水とは無縁の環境で育つため、身に臭みがつく要素が物理的に存在しないのです。

これが、ヒラスズキがいつ食べても「無垢で上品な味」である理由です。

3. 食べている「餌」の質が違う

「何を食べて育ったか」も味を左右します。

  • スズキ:イワシなども食べますが、環境によってはゴカイや甲殻類、時には死んだ魚など、選り好みせず何でも捕食します。雑食性が強いため、身の味にバラつきが出やすくなります。

  • ヒラスズキ:黒潮に乗ってくる新鮮なキビナゴ、イワシ、トウゴロウイワシなど、**生きた小魚(ベイトフィッシュ)**を主食としています。 常に新鮮で栄養価の高い餌を追いかけているため、身の旨味が純粋で濃厚になります。

4. 運動量が作る「食感」の差

穏やかな湾内にいるスズキに対し、ヒラスズキは荒れ狂う波の中で生活しています。

激しい潮流に逆らって泳ぎ、獲物を捕らえるための瞬発力が必要です。

まるでアスリートのように鍛え抜かれたその魚体は、余分な脂肪がつかず、強靭な筋肉質になります。

この筋肉が、刺身にした時の**「圧倒的なモチモチ感」と「強い甘み」**を生み出します。

スズキの水っぽい身とは対照的な、弾力のある極上の食感は、過酷な環境が生んだ賜物なのです。

まとめ:ヒラスズキは「海のエリート」

同じスズキの名を持っていても、育ちが違えば味は別物になります。

  • スズキ:環境への適応力は高いが、水質の影響をもろに受け、個体差が激しい。

  • ヒラスズキ:綺麗な水と激しい流れの中でしか生きられない、孤高のエリート。

「スズキは不味い」という固定観念を持っている人こそ、一度ヒラスズキを食べてみるべきです。

その概念が覆されるだけでなく、同じ魚類とは思えないほどの感動を味わえるはずです。

特に黒潮の恩恵を受ける南紀のヒラスズキは、その頂点に立つ存在と言えるでしょう。

 

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